
- 著者インタビュー
- 学級経営
『学び合い』の授業は一見なにもしていないように見えます。そのため、色々な誤解を受けています。本書を読んでいただければ、『学び合い』での言葉がけが考え抜かれたものであることが分かると思います。そのため、そんなに頻繁に言葉がけをしなくても良いのです。そして、その言葉がけは『学び合い』以外の場面でも有効で、直ぐに使えます。
そのような子は、「あなた」に相性が悪いのではなく、それ以上に「教師」に相性が悪いのです。だから、歴代の担任がその子を変えることは出来なかった。出来たと思っても、直ぐに元に戻ります。だから、別なことを本書で提案しています。それは、子ども「たち」がその子にアプローチすることです。
日本中の授業の大部分は、成績中もしくは中の下に合わせています。従って、教師の代わりに丁寧な指示を出来る子どもはかなりいます。しかし、何を達成すべきかを決められるのは教師のみです。そして、全員達成すべきだと求め続けられるのも教師のみです。『学び合い』では教師は、教師しか出来ないことに集中しています。
それは特別支援の子どもを、可哀想と思わないことです。算数の点数が多い方が偉い、かけっこが早いほうが偉い…。学校では色々な序列で人を判断しています。しかし、そのような序列の中で考えている限り、特別支援の子どもの幸せをイメージすることは出来ません。教師自らがその序列を打ち破る必要があります。
私は学力的に最底辺の高校で教師人生を始めました。当然、「なんで勉強するの?」と聞かれました。大学、大学院で教えて貰った学ぶ意味を語りましたが、子どもたちは納得しません。結局、私は面白い授業、分かりやすい授業をしました。そうすれば聞かれません。しかし、私は逃げていたのです。大学に異動して、それを追求し続けました。その結果が『学び合い』です。学校教育の意味は、色々な人と折り合いを付けて付き合い、その人たちの力を借りる能力の獲得だと『学び合い』では考えています。
本書では、もの凄く簡単な原理原則を3つだけお伝えします。しかし、それだけで言葉がけが全く違ったものになり、子どもが激変します。分かってしまうと、何で今までそうしていなかったのかが分からなくなると思います。お試しあれ!