- 著者インタビュー
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コミュニカティブな授業を否定しているわけではありません(笑)。むしろ、英語でコミュニケーションさせることは重要ですし、最終的には、コミュニケーション能力の育成が大きな目的であるとも言えます。ただ、そのためにはまず第一に、文法をきちんとしっかり理解し、充分練習していくことが、日本の中高生にとっては不可欠です。いきなり、意味の伝達に焦点を当てたコミュニカティブな活動というのは無理がありますし、そのような活動がメインでは、目標文法、語彙等の習得は、現在の日本での英語学習環境においては、あまり期待できないと言わざるを得ません。
伝統的なPPPにおいては機械的な練習のみに終始し、さらに本当に意味のあるコミュニケーション活動が行われない傾向があります。また、教師からの口頭での英語でのインプット量、英語でのやり取りが絶対的に足りません。改訂型PPPではこれらの改善を提案しております。詳しくは本書を読んでくださればと思います(笑)。
日本での英語学習においては、学習環境、生徒の動機づけ、日本語と英語の大きな言語差等の様々な要因により、海外における第2言語習得研究の知見がそのまま当てはまるわけではありません。私を含めた本書の3人の著者は、日本と海外(アメリカ、カナダ)で英語を学び研究し、教えた経験を活かし、それぞれの担当の章において、日本での英語学習・習得という観点で、指導法を紹介しています。
多くの方が、日常疑問に思っていること、あるいは知りたいと思っていることに答えるかたちで、できるだけわかりやすく解説しました。自分の経験も参考にしながら、それぞれの方が自分流にアレンジして指導に活用していただければと思います。
生徒にしっかりとした英語力を習得させるためには、まずは教師ができるだけ高い英語力を身につけていることが重要かと思います。
“Practice makes perfect.”を肝に銘じて、私もより精進していきたいと思います。最終的に生徒に高いコミュニケーション能力を身につけてもらうため、ともに頑張りましょう!