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解決志向アプローチとは、カウンセリング心理学の1つの考え方です。その解決志向面接の考え方を心理面接だけでなく、教育・福祉・産業などの分野に応用したものを含めて、解決志向アプローチと言います。問題の原因となっている事柄を探したり、その事柄を無くしたりするのではなく、問題が解決した後の状態を、保護者や子どもの中にある資源を基にデザインして、作りあげていく方法です。
解決志向アプローチは「すでにできていること」や「本人の資源」から問題解決を進めます。すると「自分たちは解決する力をもっている」という自信が生まれます。そして、実際に有益な努力をするので、問題は解決します。その解決志向のサイクルが子どもたちの中に身に付くと、問題の原因や過去にこだわるのではなくて、自分たちがこれからどうしたいのか、そのために何ができそうか、何ができているかを考えるようになります。
2つあります。1つは、自分以外の人の力を借りることです。私は妻に「『どうなったらいいの?』って言って!」と、協力をお願いしています。妻が「どうなったらいいの?」と私に尋ねます。その妻の問いに対して答えていくと、解決志向でゴールを描くことができます。これは、友だちに言ってもらってもいいと思います。もう1つは、解決した姿を紙に描くことです。具体的にゴールをイメージできれば、一歩ずつ解決していきます。
前年度に教室からの飛び出しや、友達への暴力、教師への暴言などがあった、多動傾向の児童が、いつのまにか着席をして授業を受けていたことです。問題が起きている時ではなく、問題が当然起きるはずなのに、「例外的に」起きていない時には何があるのかを明らかにしていきました。そこで明らかになった資源を活かして、例外的な状況を意図的に起こし、繰り返していくことで、いつのまにか問題状況が無くなっていました。
ポジティブな学級とは、ネガティブな要素が無いということではありません。むしろ、どんなに困難な状況でも、わずかに存在するポジティブな点を子どもたちと一緒に見つけ、それを大切に育てていける学級のことです。そのためには、教師自身が、困難の中に点在するポジティブな「希望」を見出だすことができ、かつ、その「希望」を信じる力をもつことが重要です。解決志向アプローチのスキルがきっとあなたの役に立つと思います。