- 著者インタビュー
- 特別支援教育
特別支援教育が法制化されて7年が経ちますが、現場ではかなりの混乱が続いているように思います。対象範囲が広く、研修内容も多岐に渡ります。そこで、実際に現場で耳にした質問をピックアップし、できるだけ平易に、基本事項を押さえてまとめました。わずかな時間に素早く手に取っていただき、大まかな理解を図る際の1冊としてお手元に置いていただきたいです。
学ぶ際の頭の整理が重要だと思うのです。たとえば本書に掲載した問いは「システム」「障害特性」「現場における実際的運用」「各論」のように分類可能です。このように、ご自身が何をどのようになさりたいのか? そのために学びたい内容な何なのか? について頭の整理が必要かなと思います。
ここでは編者(青山)の私見を述べます。一斉授業形態で「すべての子どもがわかる」といったことはありえないのです。そこで、できるだけ多くの子どもにとっての分かりやすさの追究を基盤としたうえで、個の学びにくさに対しては、学習内容、指導方法、学習スピード等を調整していく「個別性」「多様性」の実現がこれから求められていくだろうと考えています。
障害特性を過度に強調する取り組みでは、障害のある子どもの「固有性」を際立たせることになると考えます。それよりも、本来どの子どもたちも違っておりいろいろなのだ…という「多様性」を基盤とすること、その中の1つとして「障害」による暮らしにくさや難しさがあるのだという構造で考えていくことが重要だと思います。
つまり、取り組む側の考え方を見つめ続けることが必要なのです。
「今さら聞きにくい…」よく耳にするあのことばはどういう意味だったかなと思われることはないですか? また、具体例を伴うわかりやすい説明があればと思われることはないですか? そのような時に本書を手に取っていただき、先生方の混乱がなくなることで安心して子どもたちと過ごせる一助になれば幸せです。
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