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- 著者インタビュー
- 授業全般
『学び合い』を今から始めようとする人が悩むことは課題づくりです。また、『学び合い』を実践した後に、上手くいかなくなったとき悩むことは課題づくりです。本書では課題づくりに関して、上記二つのタイプの先生方に『学び合い』の本質を分かっていただきたくて書きました。
今までの授業では課題と手段がゴチャゴチャになっていました。しかし、『学び合い』では、手段と課題を分離して、課題をシャープにしなければ出来ません。そのため、『学び合い』ではそのノウハウが蓄積されています。自分がこの授業で何を達成したいと願っているかをハッキリさせることは、一斉指導においても重要です。
今までの「学ぼうとする気が全くない」子どもが学ぶ気になる教材や発問が数多く開発されています。しかし、それらを「誰に有効か?」と一人一人の子どもの顔を思い浮かべれば、危ういものがあることは気づくと思います。では、どうするか?楽しい教材、発問ではなく、何のために学ぶのかということを伝えなければならないのです。そして、それらを伝えられるのは教師ではなく、子どもたちなのです。
特別な支援の必要な子どもを何とか救いたいと思っている心ある教師は少なくありません。しかし、その人たちは「その子がかわいそう」という気持ちから出発ではないでしょうか?しかし、その気持ちでは周りの子どもにとっては「他人事」であり、一緒に解決してくれません。特別な支援を必要とする子どもを救うためには、その子を一度忘れ、集団の問題としてとらえ直す必要があります。
教育実習生の授業は1時間に盛り込みすぎ失敗することは、自らも経験し、指導する立場になれば再確認することです。盛り込みすぎないためには、この時間の課題は何かをハッキリと理解する必要があります。『学び合い』の視点で課題を問い直すと、今までの課題像が変わります。一度、それが分かれば一斉指導もスッキリとします。