- 著者インタビュー
- 学級経営
柴田先生:まずは「その係が学級において本当に必要なものかどうか」を熟慮すべきです。なんとなく係を決め、子どもが動かないからといって、「どうして動かないんだ!」としかるのは本末転倒です。
学級に必要な係なら、子どもは自主的に動きます。逆に、子どもにとって必要感のない単なる先生のお手伝いでは、“子どもがいきいき動き出す”ような係活動にはなりません。
森竹先生:いわゆる当番で、子どもの自主性ややる気を引き出すためのポイントが4つあります。
1 権限と責任を与える
2 決まった仕事+αの工夫をさせる
3 活動内容の自由度を大きくする
4 その係ならではの小道具を持たせる
4についていうと、例えば、明日の予定を書く「予定黒板係」の子にマイチョークを持たせ、そのチョークで予定を書かせます。「大切に使うんだよ」と話して記名させ、自分の筆箱で管理させます。
森竹先生: 学級内の価値観を「勉強ができる」「運動ができる」だけにしてはいけません。人にはいろいろなよさがあり、そのよさが学級で認められなければいけません。係活動も、学級の子どもたち全員の個性やよさが生かされるようにしたいものです。
活性化のポイントは3つあります。
1 なくてもよいが、あれば楽しい係をつくる
2 自分の好きなことや得意なことを生かす
3 やりたい人が、やりたいとき、やりたい人を集めて
気軽に取り組める環境を整えることで、係活動が活性化します。
柴田先生:この本には、係活動の様々なシステムやアイデアが載っています。それらは、単なる“ノウハウ”ではありません。
係活動は「学級全員の居場所をつくる」「その子に合った活躍の場を与える」またとない機会です。一人ひとりに居場所があり、活躍の場があるということが、学級生活に潤いを与え、子どもの自己肯定感を育てることにつながります。システムやアイデアの根底にあるこのような思いや願いまでぜひ感じ取っていただければ幸いです。