- 著者インタビュー
- 学級経営
なはは。私は邪悪な男ではないですよ。ただ、若手教師を見ていて、「腹黒さ」が足りないと思うのは事実です。教師はみんな誠実なんですけどね。誠実さだけでは、厳しい現場は生き抜けない。
野球に喩えるなら、直球勝負だけではダメだと言うことです。時には「逃げ」の変化球を使う。振り逃げなんていう「せこい」手も使う。隠し球なんていう「汚い」手も使う。
どんな手を使ってでもプロである教師は結果を出すことが大切だ
と思います。
きれい事だけでは、厳しい現場は生き抜けません。
そうなんですよ。私のイメージが「ブラック」に変わってしまいそうで心配です。
編集者に乗せられて、調子に乗って書いてしまいました。私の「ブラックさ」「腹黒さ」を暴露してしまったのは、「日本一のお笑い教師」の「策略」としては、失敗ですね。編集担当者が私より数段「ブラック」だということでしょう。
日本全国3億人の健ちゃんファンが離れていかないか、心配しています。嫌いにならないでね。
ないですよ。そのためには
自分はプロだという自覚を持つこと
です。
「覚悟」と言ってもいいかな。
くり返し書きますが、教師は誠実でなくてもいいので、結果を出すことが全てだと思っています。
結果を出すためなら、何でもする。自分の感情とかメンツとかにこだわっても仕方ない。そこは割り切ってやってます。
たとえば私の代名詞である「お笑い」。子どもたちに合わない、結果を出せないのであれば、いつでも捨てる覚悟がありますよ。
私が最近、一番こだわっているのが「予防」です。たとえば、学級崩壊。いったん学級崩壊してしまえば、為す術はありません。だから、
壊れないように「予防」する。
「やんちゃ君」もそうですね。いったん「やんちゃ君」が反抗的になってしまうと、ゲームオーバーです。どんな手を使っても指導は入りません。そこで、「予防」です。
「やんちゃ君」が背を向けないように「予防」することが大切なのです。
「やんちゃ君」とは絶対に対峙しないことです。「やんちゃ君」と対決し、言うことを聞かせて勝った気になっている教師をよく見ます。しかし、負けた「やんちゃ君」はおもしろくありません。どこかのタイミングで、反抗的になってしまいます。
「やんちゃ君」と戦わなくてすむように「予防」する配慮が必要なのです。戦わなければ、絶対に負けることはないですからね。私がどんな「予防」をしているかは、『ブラック本』をお読みください。
今の教室は「戦場」になってしまっています。「戦場」では、熱意や誠実さだけでは戦えません。
しっかりと「策略」を巡らせて戦う必要があります。
熱意や誠実さだけを武器に戦ってしまうと、学級崩壊という「敗戦」は目に見えています。メンタルヘルス面で休職、自殺なんていう「戦死」をしてしまう可能性さえあります。
本書を読んで、「腹黒さ」を学び、厳しい現場を生き抜いてください。
熱意や誠実さなんて、きれい事だけではダメなのです。