- 著者インタビュー
- 特別支援教育
一人ひとりの「読む力」「書く力」をよく理解した上で一緒に学習します。たとえば「作文や日記を書くことが苦手」という子はたくさんいます。「書きたいことはあるけれど文章にすることが苦手」な子には口頭でインタビューしながら作文メモから作ります。「想像して自由に書くことが苦手」な子には、絵や写真を手がかりにしたり、本人が興味を持っていることや具体的な事実から書いたりします。「一人で読む」「上手に書く」ことよりも、本人の言葉をたくさん引き出しながら子どもと一緒に楽しく学習することがコツです。
読み取りのワークには子どもたちが生活の中でよく目にするような文章をたくさん取り入れました。「時間割表」や「給食のメニュー」「黒板のれんらく」「パーティーのお知らせ」など。子どもたちの「ちょっと読んでみようかな」と思える文章が学習の中にたくさん取り入れられるとよいと思います。ワーク「日記を読もう」「作文を読もう」には、実際にさくらんぼ教室の子どもたちが書いた文章を使わせてもらいました。
本書は「文章読解」「作文」「生活の中の漢字」の3領域・20項目を、「学びのチェックポイント」としてつまずきがちな4つのステップに分けて紹介しています。一人ひとりの読み書きの段階を「できているかな?」でチェックしてみてください。
たとえば「文章読解が苦手」という子が先生と一緒に学習することで、「読むこと(順を追って正確に読み、内容を理解する力)」「設問に答えること(文章全体から必要な情報を抜き出して答える力)」「イメージすること(状況や様子、心情などを想像する力)」のどこが難しいのかを見つけてあげることができます。
読み書きに負担がある子どもたちに「読みなさい」「書きなさい」では学習は苦痛なものになってしまいます。「指導する」というよりは、「一緒に読んでみよう」「先生と書いてみよう」という気持ちで、子どもと話をしながら学習します。作文を書くことが苦手な子は、お話することも苦手であることが多いもの。「それって○○のことかな?」「△△だったのかもしれないね」など補足してあげ、話しやすい雰囲気の中で取り組めるとよいと思います。
「文字や文章が読めると大事なことや素敵なことをたくさん知ることができるし、思っていることを文章にして書けたら自分の気持ちを誰かに伝えることができます。「読むのは嫌い」「書くのは苦手」と自分であきらめないで。最初は先生に手伝ってもらってよいのです。簡単にできそうなことから練習しましょう。」
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