- 著者インタビュー
- 図工・美術
子供たちの活動がダイナミックに広がる授業。子供たちにとって新しい材料や体験を促す授業も大事です。しかし例えば画用紙や上質紙等、子供たちがこれまで使い慣れた材料の見方を変える。使い方の発想を変える。そのような視点も題材づくりが必要と考えています。
その題材のねらいや本質を教師が伝えるのではなく、授業の導入をきっかけに子供たちが関わり合いの中で発見を繰り返す。そのような授業展開のイメージを持っています。
低・中学年では「折り曲げた紙からつくる絵」(40ページ)がおススメかと思います。小さな紙でも折り曲げて描くことで次々と可能性を発見する楽しみが増していきます。
高学年では「色の表情」(112ページ)はいかがでしょうか。特に導入の真っ白の紙を絵と見る解釈は、絵そのものが実は頭の中で創るもの。形と色から考える鑑賞の導入として考えてあります。
現在まで様々な立場の先生方のお話を鑑みると、子供たちの健やかな創造性を育む視点に大きな変容はないかと思います。例えば子供たちに培う三つの資質・能力では、これまでの図画工作科でねらっている力を再構成された形で提示されています。これまでよりも資質・能力としては知識・技能.そして思考する力などが若干前面に打ち出された形になっていると感じます。
現行の学習指導要領も図画工作科は資質・能力を育む視点で書かれています。思考力・判断力・表現力、習得活用探求といったキーワードは継続。言語活動などの手段は引き続き奨励されています。今行っている題材の取り組みを、もう一度子供たちの姿から見直す2020年までの2年余りになるかと思います。子供たちの健やかな成長のために、共に励みたいものです。