11月26日の東京新聞の記事によると、文部科学省は小中学校の学校給食の目的を「食育」重視に転換した学校給食法の改正案を早ければ来年の通常国会に提出する予定とのこと。
学校給食法の施行は昭和29年。当初は戦後の食糧難を背景に栄養補給を主目的としていましたが、子どもの食生活の乱れなどが問題となっている現在の実情には合わなくなってきています。このため、平成17年に成立した食育基本法も踏まえた改正を検討するようです。
11月27日に文部科学省より公表された「中央教育審議会 スポーツ・青少年分科会学校健康・安全部会 審議経過報告」にも同法の改正について触れられており、それよると、改正点は以下のような内容になる模様です。
- 学校給食の主な目的を「食育」にする
- 地場産物や郷土食・行事食の活用して、地域への理解や郷土への愛着を育てる
- 栄養教諭の配置を推進し、職務内容を規定する
- 学校給食実施基準や学校給食衛生管理基準を明確化する
期待される栄養教諭
平成17年4月に制度が開始されてから3年目。栄養教諭は、食に関する指導と給食管理を一体のものとして行うことにより、地場産物を活用して給食と食に関する指導を実施するなど、教育上の高い相乗効果がもたらされることが期待されています。しかしながら、現在のところ配置については地方公共団体や設置者の判断にゆだねられており、文部科学省の資料によると、栄養教諭配置状況は、9月末現在で45道府県986人となっています。
地場産物の活用が広がる?
近年各地で少しずつ進んでいる地場産物の活用。先月行われた全国学校給食甲子園でも、全国各地の栄養教諭たちが地場産物を活かした自慢の給食を競い合いました。
1169校(給食センターを含む)の中から優勝したのは、千葉県匝瑳市野栄学校給食センター。そのメニューはというと、「自分で作るおにぎり・牛乳・カラフルのさか巻き・海と畑のサラダ・いわし満点汁・なし」と地域の食材を24種類も使用した栄養満点のものでした。
惜しくも優勝は逃したものの、小松菜入りナンとキーマーカレー (東京都江戸川区)、県内一の漁獲量を誇るたこを使ったたこめし (長崎県西海市)、信長由来説もある赤こんにゃくを使った赤こんにゃく寿司 (滋賀県守山市)など、出展された給食には地元の食材をうまく生かしたものがずらり。思わず食べてみたくはなりませんか。
おいしくて、地域への理解が深まりそうな給食。学校給食法改正により、みなさんの学校の給食にもこんなメニューが増えるかもしれません。
- 栄養教諭制度について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/eiyou/index.htm
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- 1
- 名無しさん
- 2007/12/1 12:56:31
給食費未納問題への対策も盛り込んで欲しいのですけど・・・ -
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- 名無しさん
- 2007/12/2 9:41:14
食育に力を入れるなら、栄養教諭を着けないなかなか進まないですよね。でも、そんな予算ないしどうするんでしょう。給食費未納問題もあるし課題ばかりですよ。そっちの方を法律に入れてもらいたいですよね。