きょういくじん会議
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給食にも深刻な影響―原油価格の高騰
kyoikujin
2007/12/19 掲載

 最近、ガソリンの値段が高い。レギュラーガソリンが軒並み1リットル、150円台まで高騰している。また、ガソリンだけではなく、原油の高騰を理由に食品の値上げも相次いでいる。家計が圧迫される…と頭が痛いところだが、家計だけでなく、教育現場にも影響が出始めている。

給食が食べられない?

 神奈川県横浜市の荏子田小学校で、1月に2日間の給食を取りやめるとの報道が11月にあった。原油価格の高騰で、食材費が4〜10月よりも1割も高くなってしまうことが理由だという。結局、給食中止は、安い野菜を仕入れるなどの対応で取りやめられることになったが、食材の値上がりによる給食への影響は深刻のようだ。

各地で苦心した対応

 17日の朝日新聞によると、神奈川県横浜市では、食材の購入費が給食費を上回り、赤字になる可能性が出てきたという。そのため、市教委では、デザートのゼリーの回数を減らすなどの対応を検討しているそうだ。また、県内の各小学校でも、予算の範囲内での給食作りに苦心している様子。例えば、牛肉は豚肉に、ホウレンソウはチンゲンサイになど、栄養とのバランスを調整しながら安い食材への変更などの対応が続いているようだ。
 また、和歌山市では、食器洗浄などに使うボイラーの温度を約15度下げたり、点火開始の時間を遅らせたりすることで、少しでもコストの削減につなげる考えとのこと。社会問題になっている原油価格の高騰が、子どもたちの給食はもちろん、学校で働く人の職場環境にまで影響してきていると言えそうだ。

値上げする地域も

 値上げに踏み切った地域もある。7日の神戸新聞によると、兵庫県の加古川市では、食材の値上がりを理由に、来年度の学校給食費を1食あたり20円値上げすることを決めたという。今後、原油価格等の高騰が続けば、給食費が値上げされる地域はますます増えてくるだろう。

 給食は、子どもたちの健康や栄養に重要な役割を担っていると同時に、楽しみでもある。「子どもたちにとって栄養があり、楽しくおいしい給食」という視点を忘れずに、工夫した対応が求められるだろう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/12/19 21:17:55
    給食費滞納に対して法整備をすれば、もうちょっとなんとかなるのでは?
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/12/20 17:45:02
    来年から小麦も2割上がるようですから、かなり値上げしないとならなくなりそうですね。
    • 3
    • 畠山忠
    • 2007/12/22 15:57:43
    原油が上がると全てのものが上がりますね。大変です。
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