- きょういくじん会議
先週、今週は各地で卒業式が行われ、きれいな袴姿や花束をもった学生の姿を目にしました。日本では、小・中・高等学校、それぞれで門出を祝いますが、アメリカなど高校までが義務教育の国では、小・中学校の正式な卒業式が行われることは少ないようです。その分、義務教育終了の節目となる高校の卒業式は、とても華やかで盛大。日本とはどのような違いがあるのでしょうか。
卒業式は家族にもビッグ・イベント!
卒業式と言えば、3年間同じ部活動や同じクラスで一緒に頑張ってきた仲間たちや先生方との別れを惜しむ、感動的かつとても感傷的な青春の1ページ。打ち上げなども、部活やクラスなどの仲間同士で行われることが多いのではないでしょうか。
アメリカでは、選択授業が多いためクラス単位を意識することが日本に比べて少なく、クラブ活動も季節ごとに変わるなど流動的で、校外の活動に参加する生徒が多くいます。そのため、卒業式は日本のような仲間同士内輪で、という雰囲気とは違い、とてもオープン。式典には家族や親戚など、たくさんの人が総出で集まり、大学の講堂や公民館など大きな会場を借りて行われることも多いようです。義務教育が無事に終わり、これから自立した大人として生きてゆく大きなステップとして、本人だけでなく、家族にとってもとても大きな意味があるということを感じさせてくれます。
ここぞとばかりに、生徒の功績を称える
卒業式で舞台に立つのは、証書授与と送辞を読む代表生徒、そしてピアノの伴奏者というのが、一般的ですよね。北米やパキスタン、インドなどの多くの学校ではそれ以外にも、成績優秀者はもちろん、スポーツやボランティア活動、生徒会、その他様々な分野で活躍した生徒たちを表彰する時間が式典の中に設けられています。校内に限らず、それ以外の場所でも積極的に活動した生徒の功績を、これまでの学校生活全般の節目として卒業式で称える。これは、生徒たちの人間としての成長を認め、学校での経験は一人ひとりの人間形成にかけがえのない影響を与えていることを再認識させてくれる、とても有意義なイベントなのではないでしょうか。
何と言っても、楽しみは卒業パーティー
北米やイギリス、スウェーデンなど多くの欧米の国で共通なのが、プロム(prom)などと呼ばれる卒業ダンスパーティー。学校によってはとてもフォーマルで、家族が招待されるところもあります。男子生徒は白いネクタイや蝶ネクタイにタキシード、女子生徒はドレスなどでお洒落に着飾ります。「バック・トゥー・ザ・フューチャー」や「メリーに首ったけ」、「アメリカン・パイ」などの映画にもあるように、この時にダンス・パートナーとして誰を誘うかが、生涯の運命を決めることも…!?
一方、ドイツの卒業パーティーの雰囲気はとてもカジュアル。生徒たちはタキシードやドレスなどでお洒落に着飾ることはありませんが、学校のブラスバンドの演奏も披露され、かっちりと組まれた計画のもとに進行してゆくそうです。また、ドイツでは16歳から飲酒が許されているため、ビールやワインなどのお酒も振舞われるとか。
フィンランドでは、もともと伝統的な音楽に合わせたダンスや衣装でお披露目するというものでしたが、最近ではタキシードやドレスが一般的になってきているようです。日本でも、愛知県の大学で火縄銃を使い、地元の文化を再認識してもらおうという試みがありました。
学校を卒業し、地元や親元を離れていく子どもたち。これまで生きてきたこと、頑張ってきたことを家族みんなで振り返り、新天地で希望をもって臨めるように、応援したいですね。
- 愛知県立大の卒業式に火縄銃で門出祝う(愛知)(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20080321wm00.htm