きょういくじん会議
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半数の親が習い事や塾に通わせないと不安―ベネッセ調査
kyoikujin
2008/3/30 掲載

 もうすぐ新学期。新学年のスタートに合わせて新しい習い事や塾に通わせる予定のご家庭もあるかと思います。
 “ゆとり教育による学力低下”が取り沙汰され、塾の需要の高まっていると言われていますが、Benesse教育研究開発センターが3月に公開した第3回子育て基本調査速報版でも、小中学生を持つ母親の半数が「習い事や塾に通わせないと不安に思っている」という結果となっていました。

 この調査は、首都圏の小・中学生の保護者を対象に行われた子育て生活の実態、しつけや教育に関する意識調査。過去には1998年、2002年に行われており、2007年の今回の調査は3回目になります。
 その結果の一部をご紹介しますと…。

教育不安は高まっている?

 冒頭でご紹介した通り、この調査の結果では、「子どもの将来を考えると、習い事や塾に通わせないと不安である」と思う母親の割合は51.7%。また「教育に必要なお金はかけるようにしている」は76.3%。いずれも9年前と比べ増加しています。その一方で、「勉強のことは口出しせずに、子どもにまかせている」は減り(40.4%)、子どもの教育に関する母親の関与が強まっている様子が伺えます。
 これを裏付けるかのように、教育費は増加しています。学校以外の習い事や塾などにかける1か月の費用の平均額は19,438円。2002年から1,203円の増加となっていました。

成績や学歴へのこだわり増加

 教育費にお金をかける背景には、成績や学歴にこだわりが増したこともあるようです。
 「学校生活が楽しければ成績にはこだわらない」と考える母親の割合は、小学生(3〜6年)は28.5%、中学生は18.1%。それぞれ9年前より10ポイント以上低下しています。一方、「できるだけいい大学に入れるよう、成績を上げてほしい」と考える母親の割合は小学生(3〜6年)で20.4%、中学生で29.1%で、共に5ポイント以上アップという結果になりました。

学校の取り組みや指導には7割超がおおむね満足

 さて、ここまでの結果を見て、塾頼みの母親たちに複雑な心境の先生もいらっしゃるかと思いますが、学校が否定されている訳ではないようです。
 学校への満足度を問う質問に対しては、小学校低学年から中学生までどの学年段階でも、「総合的にみた学校の取り組みや指導に満足している」と回答した母親が7割を超えています。ただし、そのうち「かなり満足している」という回答は1割未満で、多くは「まあ満足している」という回答となっています。また、学年が上がるにつれて満足度が低くなる傾向にあるようです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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