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防災意識を今一度! 地震の記憶をとどめる「野島断層保存館」
kyoikujin
2008/5/11 掲載
野島断層―写真と解説 兵庫県南部地震の地震断層

 8日、茨城県沖で震度5弱の地震があった。真夜中2時の少し前。関東近辺では、熟睡中でも目が覚めたという方が多くいただろう。

 各地で地震が起きると一旦は防災意識が高まるものの、のどもと過ぎれば…というように、しばらくたつうちに危機意識も薄れてしまう。防災対策を、そんな一過性のものに済ませてしまわないために、実際に地震が起きた地では色々な形で記憶をとどめている。

 淡路島にある野島断層保存館野島断層は兵庫県淡路市にある活断層で、1995年に発生した阪神・淡路大震災の際、左右の横ずれだけでなく、上下にもずれ(片方が隆起)、一帯に大きな被害をもたらした。この活断層、現在は国指定の天然記念物になっている。
 野島断層保存館は、ずれた断層の真上につくられた施設で、断層の一部を丸ごと保存しているのだ。

 このGWに実際訪れたみたのだが、断層の現物がそのまま残っているだけに、規模の大きさが体感できた。これだけ地面がずれたら、それはそれは大きな被害が出るはずだ。
 近くには、「メモリアルハウス」との名で、断層が横切っている民家がそのまま保存されている。比較的丈夫なつくりの建物だったようで、家そのものはしっかり形をとどめており、一見被害が少ないようにも見えたが、垣根や塀のずれが断層の動きを今でも伝えている。但し、神戸で乗ったタクシーの運転手さん曰く、「実際はあんなもんじゃないよ」。
 そんな地震が発生したのも、すでに13年前。保存館には子どもたちも多く訪れていたが、彼ら小学生たちが生まれる前のできごととなった。

 今回の地震でも緊急地震速報が出たが、発表は強い揺れの後。先月28日に沖縄県の宮古島近海で発生した地震に続いて、2回目の速報だったが、何れも強い揺れには間に合わなかった。自然相手なだけに、まだまだ地震の予知は難しい。やはり地震予知に頼るだけでなく、一人一人が防災意識を高めなければならない。

 野島断層保存館のそばには「なまず池」があった。幸運にも、なまずはちょうどお休み中で、顔は拝見できなかった。なまずが休んでいるうちに、是非もう一度、子どもたちと防災に関して話し合ってみてほしい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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