きょういくじん会議
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食育の次は眠育? 学校における睡眠指導
kyoikujin
2008/5/13 掲載

 10日の毎日新聞記事によると、「眠育(みんいく)」(睡眠教育)の研究が進んでいるとのこと。夜は遅くまで起きていて、朝起きてもぼーっとしている子どもの睡眠について、不安をもつ親が増えているそうです。記事では滋賀大の佐藤尚武教授が、学校で睡眠の授業を行うべき、と主張しています。

 記事には、朝起きて光を浴びることでその約15時間後に入眠しやすくなるホルモンが分泌されることから、早寝早起きではなく、早起き早寝に発想を転換させることが大切だとあります。
 日本初の睡眠学講座を開設した滋賀医科大は、学校で睡眠を指導する授業方法の研究を進めているそうです。

 文部科学省は18年度から「子どもの生活リズムプロジェクト」を進めており、その一環として設立された「早寝早起き朝ごはん」全国協議会では、睡眠・栄養・運動などの生活習慣と子どもの健康・意欲との関係について情報発信し、子どもの生活リズムを向上させようと事業を展開しています。食育が注目され、朝ごはんの大切さについてCMなども見かけますが、その朝ごはんを食べるためにも早起きが必要となってくる…と、食育と眠育は連動しています。

 また、福岡県立明善高校では、2005年に「昼寝」の時間を取り入れて話題になりました。同校では現在も昼休み中の15分間を「午睡タイム」と位置づけています。基本的には教室で机に伏せて眠りますが、午睡室も用意してあり、女子生徒専用の部屋もあります。アンケートでは週3回以上の午睡をすると、午前・午後の眠気を感じることが少なく、頭がすっきりし、家での勉強中の眠気も少ないなどの結果も出ています。
 台湾では小学校から高校まで、学校の時間割のなかに昼寝の時間が設けられているそうです。「午休時間」といい、昼食後の30分間、こちらも机に伏せて眠ります。明善高校のように希望者ではなく、先生の指導も入って行われます。

 睡眠まで学校で指導するものなのか、という疑問も感じますが、母親の夜更かしに引きずられて夜更かししてしまうという子どももいる状況(睡眠文化研究所)を考えると、積極的に睡眠の大切さを教え、昼寝の時間を提供するということも、子どもの健康を管理するという意味で大切な教育となってくるのかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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