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鑑真が日本に残したものとは―御影堂公開中(唐招提寺)
kyoikujin
2008/6/4 掲載
おん目の雫ぬぐはばや―鑑真和上新伝 (図説 中国文化百華)

 小学校学習指導要領(社会科編)で重要な歴史人物42名の1人として数えられている鑑真。奈良県五条町にある唐招提寺では、5月31日から6月8日まで、有名な「鑑真和上坐像」がある御影堂が特別公開されている。

 鑑真は唐の高僧で日本における律宗の開祖。当時の日本には僧になる資格を授ける授戒をできる人がいなかった為、聖武天皇により招かれた。5回の渡航失敗の後、失明をしながらも九州にたどりつき、聖武天皇や光明皇后にも戒律を授けた。命を受けた留学僧たちの運命を描いた井上靖による歴史小説『天平の甍』は、唐招提寺と鑑真の名を世に広く知らしめ、映画化もされた。中国でも2007年に国営の中央テレビが「鑑真東渡」を作成・放映している。

 像が安置されている唐招提寺は、もともと鑑真が「唐律招堤」と称し、天皇から賜り律宗の道場としていた場所。先日来日した胡錦濤国家主席も中国にゆかりのある場所として視察した。「天平の甍」と称された天平時代を代表する建築として有名な金堂は、阪神淡路大震災の被害を受け2000年より修理中で、2009年に完成予定。TBSではこの修理を支援する為として『唐招提寺2010プロジェクト』も展開している。

 鑑真和上の命日である6月6日(新暦)の「開山忌」前後にはそれにあわせた催しも予定されている。興味のある方は、足を運ばれてみてはいかがだろうか。

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