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学習指導要領「解説」総則編―基本方針と授業時間
kyoikujin
2008/7/14 掲載

 1日に文部科学省より小学校指導要領解説が公表された。
 「総則編(ZIP)」の中に示された今回の学習指導要領改訂の基本方針は、下記の3点である。

  1. 教育基本法改正等で明確となった教育の理念を踏まえ「生きる力」を育成すること
  2. 知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視すること
  3. 道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成すること

 また、それを支える授業時間数については、国語・社会・算数・理科・体育で1割程増加し、高学年では、外国語活動も新設された。

3つの基本方針

 今回の改訂では、前回より継承された「生きる力」に加え、豊かな心や健やかな体を育成するために道徳教育や体育などが重視されることになった。
 教科化は見送られたものの今回、「道徳の時間を要(かなめ)として」という文言が総則に入った道徳の時間は、学校の教育活動全体を通じて行われる道徳教育を束ねる重要な時間として位置付けられている。
 体育には食育の推進安全に関する指導について総則で新たに規定された。

授業時間数の増加

 基本方針2にあげられたバランス重視の視点から、国語・社会・算数・理科の授業時間数は増加し、総合的な学習の時間は減少した。
 週あたりのコマ数にすると、低学年で2コマ、中・高学年で1コマの増加になる。
 この学習指導要領で示された授業時間数を下回って教育課程を編成することは不適当とされているが、地域の状況や児童の実態を考慮の上、上回った授業時間数で指導することは可能とされている。学習内容についても、「はどめ規定」(詳細な事項は扱わないなどの規定)は原則削除されており、ともに学習指導要領の基準性をあらわしているといえる。
 なお、前回の学習指導要領の改訂(平成14年度実施)で創設された総合的な学習の時間は、特別活動と代替できることになった。
 解説では

  • 総合的な学習の時間に行われる自然体験活動は、環境や自然を課題とした問題の解決や探求活動として行われると同時に、「自然の中での集団宿泊活動などの平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、人間関係などの集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができる」遠足・集団宿泊的行事と、
  • (…略…)

それぞれ同等の成果も期待できると考えられる。

と例示をあげ、総合的な学習の時間に特別活動の趣旨をも踏まえて体験活動を実施した場合に特別活動の代替を認めるような記述が追加されている。
 逆に、特別活動で行った体験活動を総合的な学習の時間に代替することは認められない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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