
みなさんは、自分の母子健康手帳をお持ちですか。生まれた時の体重・身長、予防接種の記録など決して記憶にはありませんが、そこには多くの情報が記録されていることと思います。もしかしたらお母さんのおなかの中にいた頃の写真がはさまっている人もいるかもしれませんね。
最近では、日本の母子健康手帳が世界でも注目されているようです。それを裏付けるように11月には母子手帳国際会議も東京で開催されます。どうして、日本の母子手帳は注目されているのでしょうか?
そもそも、母子健康手帳は昭和40年に施行された母子保険法第16条に基づいて、日本では妊娠が判明した時点で市区町村に申請すれば国籍や年齢を問わずに発行してもらえます。医師が発行した「妊娠届書」が必要だったり、自己申告のみで発行されたりと地域によって、発行手順は様々ですが、母子健康手帳の発行により、それ以降の子どもの成長の記録はもちろん、医療費が無料になるなど各地域の行政サービスを受けられるようになります。ただ、発行してもらって終わりではなく、自発的に検診に行ったり、勉強したりすることが重要です。
では、海外における母子手帳事情はどうなっているのでしょうか。日本のように、母子手帳が普及している国は世界的にはまだ少ないようです。母子手帳国際会議ホームページによると、妊娠・出産・子どもの健康の記録を1冊にまとめた手帳は欧米でもほとんど見かけないそうです。さらに、母子手帳は子どもの健康の記録という側面だけでなく、親としての自覚を促す健康教育教材など多くの側面をもっています。だからこそ、日本発の母子手帳が世界でも注目されているのですね。
外務省のホームページの中には、インドネシアで日本の母子手帳が導入された例が載せられています。他にも、東ティモールではユニセフが中心となって母子手帳が導入したり、アメリカのユタ州では、アルバムのような分厚い母子手帳が発行されているそうです。
各国の状況に応じて、母子手帳の内容は異なるようですが、世界に広がりをみせていることからも、親が子を大切に思う気持ちは万国共通なのかもしれませんね。
みなさんも久しぶりに、お母さんの想いがつまった母子手帳を開いてみませんか。「母子手帳」という世界に誇れる日本の文化、ずっと後の世代にも残していきたいですね。
妊娠したときの喜びや、生後間もないころの子供の病気で心配したことなど、さまざまな思い出があります。
もちろん計画的に検診にいったり、予防接種をしたりと大活躍でした。
受け取った際、母親になる喜びと責任を最初に実感できたような気がします。