きょういくじん会議
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地域ぐるみで成長を見守る―商店街の子育て支援
kyoikujin
2009/4/18 掲載
三丁目の夕日傑作集 (その4) (ビッグコミックススペシャル)

 大型ショッピングセンターや量販店が郊外に立ち並び、活気を失いつつある商店街。もう一度ここに若い人を呼び込もう、地域ぐるみで子育てをしながら商店街を活性化させようとする動きが各地で広がっているようです。

 3月28日の朝日新聞の記事では、長野県佐久市の岩村田本町商店街が、「岩村田寺子屋塾」という学習塾を開いたと伝えています。空き店舗になった薬局を再利用して開塾したということですが、勉強を教えるだけではなく、地域の大人が自由に出入りして、あいさつを教えるなど地域ぐるみでの子育ての場となっている点が特徴的です。

 また、神戸市最大の商店街である「三宮センター街」に2007年に開設した保育施設「キッズバルーン」では、利用者が商店街の提携店舗で特典を受けられるというサービスを行っています。今後は、買い物をするお客さんや商店街で働く個人が利用するだけではなく、法人契約にも力を入れるということ。企業側は、保育の枠を買い取り、子育てしやすい環境を作ることで、人材確保につなげようという考えのようです。

 こういった取り組みは、2004年に厚生労働省が発表した「商店街の空き店舗を活用した保育サービスの設置促進に関する指針」にあるように、若い世代による商店街のにぎわいの活性化を図るとともに、待機児童を減らす、放課後児童の居場所確保が目的となっています。「キッズバルーン」でも、一時保育や、地元の進学塾と共同で学童保育も開始したりと幅広い子どもの居場所確保に力を入れているようです。

 共働き夫婦の方は、買い物は休日に車で済ませるということも多いと思いますが、通勤で使用する駅の近くにある商店街を見直してみてはいかがでしょうか。こういった施設が周りにあるのであれば、会社帰りに迎えにいくのにも便利ですよね。ついでに商店街で買い物をすれば、時間の短縮にもなりますし、子どもに安心してお買い物をさせることもできるといった利点もあると思います。

 小さい頃にお母さんに手をひかれて買い物に行った商店街。商店街のおじさんやおばさんにかけられた声、時には怒られたことも懐かしく思い出しました。商店街は、安くて新しいものばかりを売っているわけではないけれど、地域の人に守られて子育てをしていける安心感は他では得られない大切なものかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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