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小学校がオークションに? 廃校の様々な再利用法
kyoikujin
2009/4/19 掲載
ちいさな校舎 [Single]

 4月13日の産経新聞によると、北海道新冠町の4つの小学校が、インターネット検索大手のヤフーが行っている、公有財産などを専門に扱う官公庁オークションで売りに出されたとの事。学校がこの官公庁オークションに売り出されるのは初のことで、競売価格2,180〜6,740万でスタートし、期限は5月12日まで。事業を行うのに手ごろな物件を探している、という方がいれば覗いてみては?

 出品した新冠町は、学校の統廃合で使用しなくなった校舎ができ、ただ持っているだけでも維持費がかかるため買い手を捜しているのとのこと。インターネットオークションという新しい手法を利用したことで新冠町は注目されていますが、統廃合自体は全国各地で実施されていて、それを踏まえれば使用しなくなった学校施設をどのように再利用するかは、新冠町特有の問題ではなく全国的なテーマと言えるでしょう。

 では全国では実際にどのような再利用がされているのか、特徴的なものをいくつか見てみましょう。

会社

 旧新宿区立四谷第5小学校の校舎を、お笑いタレントが多く所属しているご存知吉本興業が東京本社として再利用。内部は一部改装しているものの、外見は小学校のままで使用しています。

ミュージアム

 京都市中京区の旧龍池小学校を再利用して現在あるのが、京都国際マンガミュージアム。漫画やアニメーションに関するものを文化的観点から収集するのが目的で、収蔵されている漫画は08年時点で約30万点。

病院

 宮城県石巻市の網地島では、旧網長小学校を網小医院という病院として再利用。設備もしっかりしたものが整えられ、離島住まいのため何かあったときにすぐに診察を受けられなかった島民にとっては、大変に助かっているようです。

宿泊施設

 四万十川沿いの旧中半小学校に手をいれ、川の近くで宿泊ができる四万十楽舎。宿泊施設という使用方法は、廃校の再利用としてはわりとポピュラーなようで、全国各地で見られます。

 誰にとっても母校が無くなってしまうのは寂しいものだと思いますが、たとえ学校という形式でなくなったとしても地域の人々の役に立ち、残り続けてほしいとも、やはり誰もが思うのではないでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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