きょういくじん会議
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明日からでも使える! 宗教教育のネタをご紹介
kyoikujin
2009/4/21 掲載
世界の大聖堂・寺院・モスク (空から見る驚異の歴史シリーズ)

 中学校社会科の新学習指導要領で重視された宗教教育―。デリケートな部分でもあるため、「どのように扱えばいいの?」と思われている先生方も多いかもしれません。そんなとき、こんなネタを導入や生徒の興味づけに使ってみてはいかが? 実際に学校現場の先生が使っているものを少しご紹介します。

三大宗教、導入は宗教建築から!

 世界的に信仰されている、キリスト教、イスラム教、仏教の三大宗教。導入に使える資料は、その宗教を代表する宗教建築の写真だそうです。キリスト教は、サンピエトロ聖堂やピサの斜塔で知られるピサ大聖堂、イスラム教は、インドのタージマハルやモスクなどのイスラム寺院、仏教は、日本の五重塔やミャンマーなどにあるパゴタとよばれる仏塔など・・・。それぞれの建築のインパクトが生徒の宗教への興味を高めるそう。建築からレオナルドダビンチの「最後の晩餐」などの宗教絵画へ展開したり、外国の仏像と日本の仏像の比較をさせたりという活動も生徒の反応が大きいとか。

生徒が興味をもつ「食べ物」ネタ!

 「イスラム教徒は豚肉を食べない」「ヒンズー教徒は牛肉を食べない」、こういった「食べ物」ネタは、生徒の関心が高いようです。
 しかもこの場合、イスラム教徒が豚を食べないのは、豚が不浄とされるから、ヒンズー教徒が牛肉を食べないのは、牛は神の使いで神聖とされるから、という対照的な理由というのも興味深くうつるよう。生徒が興味をもつのは、「お金」と「食べ物」のネタなんだといつか先生方が話しているのを聞いたことがありますが、このような「食べ物」ネタをうまく織り交ぜながら、異文化を理解するきっかけをもたせてあげたいですね。

聖地エルサレムに注目!

 世界の三大宗教の教えるときに、もうひとつ取り上げたいと先生が強調するのが、聖地エルサレムです。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3つの宗教の共通の聖地になっているエルサレム。今なお続く紛争の裏側に宗教問題があることを印象づけるためには、欠かせないトピックだとのこと。

日本の宗教 トトロも使える!

 日本の宗教を教えるときには、となりのトトロも使えるそうです。使うのは、神道に触れる場面。となりのトトロに出てくるしめ縄のまかれた巨木を題材にし、日本の神は八百万(やおよろず)といわれ、昔から山、木、岩などのいろいろな自然物に神が宿るとされてきたことを子どもたちに示すそう。
 また、神道と仏教のちがいは、子どもに身近な生活のできごと(お盆、法事、お祭りなど)を通してイメージが伝わるようにするのがポイントのようです。

「神仏習合」どうイメージさせる?

 日本ならではの考え方、神仏習合を生徒にイメージさせるときには、日光東照宮がよいとのこと。日光山内の社寺は、東照宮・二荒山神社・輪王寺に分かれ、これらを総称して「二社一寺」と呼ばれています。明治新政府によって神仏分離令が出される前は、山内すべてをまとめて神仏習合の信仰が行われていたようです。「日光東照宮って寺院なの?神社なの?」こんな問いかけをしたら、何と答える生徒さんが多いでしょうか。日光東照宮は、徳川家康が祀られているので神社。仏教と神道の違いがわかっていれば、簡単に答えの出る問題です。皆さんの生徒さんの正答率はどのくらいでしょうか。

 いかがでしょうか。これらはあくまでも一例なので、ご参考までに。みなさんのネタがあれば、ぜひ教えてください。

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