きょういくじん会議
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中学生がメガホンをとった映画「やぎの冒険」公開中
kyoikujin
2011/1/18 掲載
沖縄でなぜヤギが愛されるのか

 8日から「やぎの冒険」という映画が東京・横浜で公開されています。この映画でメガホンをとったのは、沖縄に住む15歳の中学生、仲村颯悟さんです。本作品は、日本映画史上最年少監督作品といわれており、映画の撮影時には仲村さんはなんと13歳でした。中学生監督が撮った映画とは、どのような内容なのでしょうか。

映画化のきっかけは?

 もともと小学生のときからビデオカメラを手にしていた仲村さんは、これまでに30本以上の短編作品を自主制作してきました。今回公開された「やぎの冒険」の製作のきっかけは、2009年に開催された沖縄観光ドラマコンペティションで、本作品のもととなる短編「やぎの散歩」の脚本が選出されたことによります。この作品の監督を自ら務め映画化したところ著名人から高い評価を受け、今回の作品の製作に至りました。

どんな映画なの?

 初の長編である本作品の舞台は,やぎを食べる風習が残る沖縄本島北部のヤンバル地方です。食べられる予定であった子やぎが逃げ出してしまうことから物語が始まります。その子ヤギを主人公の小学生の少年が追いかけてゆきながら、「食べること」の意味を知るという成長物語となっています。
 作品の舞台となっている沖縄では一足先に公開されており、すでに4万人以上もの人々が映画館に足を運んだようで、東京・横浜での公開ではさらなる観客動員が期待できそうです。

いのちを食べる

 食にまつわる「いのち」の問題について、子どもたちの行動を促すものとして、「やぎの冒険」の公式ホームページのなかでは、「やぎの冒険プロジェクト〜給食残食ゼロ大作戦〜」というものを実施していました。子どもたちにとって身近な給食を残すことをやめようというキャンペーンです。同じような取り組みは多くの学校でできそうです。キャンペーンに参加した学校では、「子どもたちの食に対する意識が変わった」という声や、「クラスが一致団結した」という声が寄せられています。動物や植物のいのちをもらって、「食べること」そのことに感謝する想いが、クラスを変えることもあるようです。

 お正月映画もひと段落ついたところ、お子さんと一緒に映画鑑賞などいかがでしょうか。池袋テアトルダイヤキネカ大森(東京)、ブリリア ショートショート シアター(横浜)で現在公開中です。2月19日からは、大阪のテアトル梅田でも公開が予定されています。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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