
- マスターしたい指導技術集
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楽しいイベントをするのに、子どもが進んで動きません。
リーダーになろうとする子が少ないのです。
学級でイベントを行うことになったとき。
せっかく楽しいイベントを企画したのに、子どもがなかなか動かないことがあります。リーダー役への立候補も少ないといった状態です。
これは一体なぜなのでしょうか。
ひょっとすると、「子どもが、イベントへの見通しをもてていない」のかもしれません。見通しをもてないから、動きたくても動けないのです。
その場合、まず教師は、どんなイベントをしようと思っているのか、ゴールを示さなくてはいけません。ゴールを示すことで、イベントへのイメージを豊かにするのです。
また、他の原因として、「進んで動くと、友達から馬鹿にされる」といった空気が教室につくられているのかもしれません。進んで動く子を馬鹿にするような雰囲気だと、子どもはどんどん動かなくなっていきます。
そうだとするならば、教師は、「進んで動くことはすばらしいのだ」という空気をつくることから始めなくてはなりません。
上の二つに共通して言えることは、次のことです。
子どものやる気を引き出す「環境」をつくることが大切です。
子どもに進んで動いてほしいのであれば、子どもが進んで動けるような環境をつくることが、第一なのです。反対に言えば、子どもが進んで動けないのは、「子どもが進んで動ける環境」をつくれない教師が悪いのです。
これを、若い教師は次のように考えてしまいます。
「今年の子どもは、やる気がない」
「最近の子どもは、リーダー役をしてくれない」
つまり、子どもの「資質」の問題に転嫁してしまうのです。
教師のイメージ通りに子どもが動けていないときは、まず「環境」を疑ってみることが、第一なのです。
さて、環境も整っているのに、子どもが進んで動かない場合もあります。
教師のイメージしている動きとは違い、子どものやる気がいまいち感じられないとします。
リーダー役になった子が、みんなをきびきびとリードしようとしない。
せっかくの楽しいイベントなのに、何となく子どものやる気が感じられない。
こういうときはどうしたらよいのでしょうか。
一つの方法として、教師がお手本を示し、「こういうときはこんな風に動くのだよ」、「こんな風に盛り上げるんだよ!」とやってみせてもよいでしょう。
お手本を示すのは、効果的な指導方法です。
子どもの動きが、教師のイメージとかけ離れているのであれば、教師のイメージを、教師自身がお手本で示してやるとよいのです。そうすれば、子どもの動きは少しずつ変わってきます。教師のイメージに近付いていくのです。
ただし、この方法は、子どもの「内面」から「やる気」をわき起こしたのではありません。「こんな風にやる気を出して動こう」という教師のイメージを、「外面」から与えて、少々無理矢理に子どもを動かしたのです。
言ってみれば、「薬を与えて元気を引き出した」というような、西洋医学的な方法です。これはこれで大切なのですが、「心の内からやる気を引き出す」ような、東洋医学的な方法も考えなくてはなりません。
子どもに、「自分自身の意思で、進んで動きたい」と思わせなくてはならないのです。
内面から「動きたいな」と思わせるには、次の方法が有効です。
子どもの「ほんの少しのやる気」を見逃さず、認め、ほめていくことが大切です。
よく見ていると、子ども全員のやる気がないわけではありません。よく見ていると、「少しのやる気を見せる子」もいます。その子のやる気を見逃さず、ほめていけばよいのです。
人は、誰だって、自分の頑張りを認めてもらいたいと思っているものなのです。頑張りを認めてくれたら、「次も少し頑張ってみようかな」と思えるのです。しかも、頑張りが小さければ小さいほど、教師がその頑張りを見つけてほめてくれたことを、子どもたちは嬉しく思います。その子本人の内面から、やる気がわき出てくるようになります。
最初は少しずつしかやる気が引き起こされませんが、やがて、加速度的にわき出してくるようになります。その結果、教師が思い描いていたような、進んで動く子どもたちになっていくのです。
「やる気を引き出せる環境を整えること」と、「内面からやる気を引き出せるようにすること」。この二つを意識して、子どもに接するようにすればよいのです。