- とっておきの授業スキル
- 外国語・英語
長瀬:第3回は、立命館小学校で担任の仕事もされながら英語の授業も専門に行っている正頭英和先生です。
ただでさえ忙しい日々の中、英語の活動の準備をするのは至難の技です。今回ご紹介させていただく「カルタdeリスニング」は、年間を通じて繰り返し使うことができますので、準備が楽になります。また少しの工夫でレベルの調節も可能ですので、汎用性が高いです。授業の冒頭の帯活動に最適です。
スキル1カルタの表裏でレベルを調整!
「カルタdeリスニング」は、基本的には普通のカルタと同じルールです。教師が読みあげ、子どもが取ります。もちろん、教師が読むのは英語です。
まずはカルタの作成です。表面には絵とスペル、裏面にはスペルのみを印刷します。こうすることにより、レベルの調整をすることができます。最初は絵の面を上にしてカルタを行いますが、子ども達が慣れてきたらスペルの面を上にしてゲームを行います。そうすると、活動のレベルが上がり、年間を通して行っても子ども達は飽きません。名刺サイズぐらいに印刷し、何度も使えるようにラミネートしておきます。班で行うことを想定して、6セットぐらいを準備しておきます。カードに書く単語は「動物」でも「食べ物」でも「学校にある物」でも何でもOKですが、「名詞」である方がよいでしょう。
スキル23ヒントバージョンで楽しく!
次に読み上げる英語です。最初は「3ヒント」が取り組みやすいと思います。
例えば「リンゴ」のヒントとして、「fruit」「red」「circle」などを与えれば、リンゴに導けるでしょう。最初に大きなカテゴリー(例えばfruitなど)からヒントを与えていくのがコツです。このとき、「必ず3つのヒントを聞き終えてからでないと取ってはいけない」などの条件を付け加えると、最後まで集中して英語を聞き取ろうとします。また、慣れてきたら子ども達自身に「3ヒント」を出させることも可能です。子どもが作るヒントには、大人の私たちも「なるほど!」と思うものが多いです。ある子どもが「ポスト」のヒントとして「red」「letter」「eat」と言ったときは思わずうなってしまいました。
スキル3センテンス(文章)バージョンにチャレンジ!
最後にセンテンス(文章)バージョンです。カルタのカードの説明を全て文章単位で行うということです。可能であればネイティブの先生にお願いするのがいいと思いますが、環境的に難しい場合もあります。そんなときにオススメなのが「英英辞書」の活用です。インターネットで「英英辞書」と検索していただければ、無料で使えるサイトがいくつもあります。
例えば「apple」を英英辞書で引くと「a hard round fruit that has red, light green, or yellow skin and is white inside」と出てきます。本当はこれをアレンジするのがベストなのですが、そのまま読み上げるのもOKです。子ども達は文章全てを聞こうとするのではなく、文章の中のいくつかの単語をピックアップして答えを考えますので、その文章の中にキーワードになりそうな3つぐらいの単語が入っていれば、十分ヒントとして使えます。
これはかなりレベルの高い活動ですが、年度当初から「3ヒント」で計画的に鍛えていけば、年度末には必ずできるようになります。年間を通して継続していくことが大切だと思います。
活動レベルの段階としては、
絵 | スペル | |
---|---|---|
3ヒント | 簡単 | 少し難しい |
センテンス(文章) | 少し難しい | 難しい |
となります。少しずつステップアップしていくように計画しましょう。
- 簡単→難しい、というようにステップを踏む
- 年間を通して活動する
長瀬:正頭先生ありがとうございました。次回は音楽科のとっておきスキルを宇野弘恵先生にご紹介いただきます。お楽しみに。