7日の毎日新聞記事によると、文部科学省は「特色ある大学教育支援プログラム」の選定結果を発表した。本年度は、全331件の申請があり、52件が選定されたようだ。このプログラム、具体的にはどのようなものなのだろうか。
「特色ある大学教育支援プログラム」は「特色GP」とも呼ばれている。この「GP」は「Good Practice」の略で、「優れた取組み」の意味。優れた取組みをしている大学に文科省が支援することで、大学教育の充実を目指すのがねらい。日本では平成15年度から行われている。
文科省は「特色GP」を行う必要性として、まず、大学を知識社会の拠点としていくことを挙げている。グロバール化が進み、社会がこれまでの「モノ・カネ」から「知識・情報・技術」を重視する「知識基盤社会」となっていく時代の流れが背景にあるようだ。
また、大学全入時代をひかえ、各大学が特色ある教育に取り組み個性を発揮することで、教育機関としての機能を維持してもらいたいという期待もあるようだ。
取組みそのものは、「教育課程」「教育方法」「その他」の3種類に分類される。選定された具体的な取組みについては、文科省の「申請区分・細区分別選定状況」でみることができる。教育関係では、茨城大学の「確かな学力の向上を目指す理系基礎教育」や島根大学の「確かな教師力を育む多角的評価の実現」などが注目だ。
なお、同省の「平成19年度全申請・選定候補状況一覧表」によると、申請の内訳は以下のとおり。選定率では、短大の方が1.8%ほど高い。
大学 | 短大 | 合計 | |
---|---|---|---|
申請件数 | 261 | 70 | 331 |
選定件数 | 40 | 12 | 52 |
選定率 | 15.3% | 17.1% | 15.7% |
全体の選定率は15.7%で過去最高。この数値を高いとみるか低いとみるか判断は難しいが、文科省のねらいどおり、このプログラムによって大学教育が充実していくことを期待したい。
- 大学教育の充実−Good Practice−(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/gp.htm - 採択率、過去最高15%…文部省「優れた大学教育」(フジサンケイビジネスアイ)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200708080028a.nwc - 大学全入時代(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060828ur02.htm
−「1,000時間体験学修」「学生プロファイルシート」「面接道場」で可視化する教師としての自己成長−