キーワードはバランス―「審議のまとめ」梶田部会長講演
教育課程部会における「審議のまとめ(PDF)」が正式決定された2日後の11月9日、梶田叡一教育課程部会長の講演会が都内で開催された。講演内容は、「まとめ」までの作業が予定より遅れた経緯からこれからの評価のあり方についてまで多岐にわたったが、その一部をご紹介する。
印象的だったのは、梶田部会長が「バランス」ということを何度も強調していたことだ。朝日新聞からは「詰め込み教育への揺り戻し」、産経新聞からは「ゆとりからの脱却が中途半端」と双方から批判されたことに、「してやったり」と思ったとのこと。ちなみに「バランス」というのは、現行指導要領の良い部分は受け継ぎ、弱かった部分は補うという改訂方針を指し、今回の改訂の特色として繰り返し説明していた。
では、今回の講演で挙げられた新指導要領に受け継ぐべきものとは? それは、
- 体験学習の充実
- 探究型の学習
- 生きる力
の3点。逆に、弱かったので補うべきものは、次の5点。
- 理数系の学力
- 伝統文化
- 道徳教育
- 外国語活動
- 言語力(言葉の力)
特に後者の5点は、新指導要領の改訂のポイントとしてよくとり挙げられているが、梶田部会長が前者の3点について相当の時間を割いて説明していたのが、まさに「バランス」ということだろうか。
気になる新指導要領の実施時期は、すでに報道にもあったように、小学校11年度、中学校12年度、高等学校13年度で、移行措置が09年度からとのこと。他に注目すべき発言としては、観点を4観点から3観点にすることを検討中などがあった。
- 文科相が勘違い? やはり新指導要領実施は2011年(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070387 - 中学の選択教科廃止は再検討―審議のまとめ(中教審)(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070385 - 審議のまとめ正式決定―小中理科は大幅授業増(中教審)(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070373 - 小中で理数・英語が大幅増―審議のまとめ(中教審)(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070367 - 高学年で週1コマの英語活動―審議のまとめ(中教審)(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070366
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
-
- 1
- 名無しさん
- 2007/11/15 18:04:13
人はそれを玉虫色と言います。 -
- 2
- 名無しさん
- 2007/11/15 18:36:28
かのフィンランドは、教育改革で指導要領を極端に少なくしたとか。教える内容を減らしたんでなくて、シンプルにしたって感じなんでしょうけど。やはり、極端なことをしなくちゃダメなんですかねえ。 -
- 3
- 名無しさん
- 2007/11/16 10:38:44
わたくしは言わないです。
コメントの受付は終了しました。