受験生にとっては最後の追い込みとなる冬休みを前に、製菓各社が相次いで受験シーズン限定商品の販売を開始している。かつては受験グッズといえば絵馬やお守りが定番アイテムだったが、5年ほど前にネスレ社のキットカットが「きっと勝つ」の語呂合わせでブレークしたことをきっかけに、縁起菓子商品と言われるジャンルが年々勢いを増しているようだ。
縁起菓子の元祖とも言えるキットカットはお馴染み「きっとサクラサクよ」のキャッチコピーで計6商品を展開。日本古来の縁起ものである「紅白」をパッケージにし、中の小袋には応援メッセージが書かれた、ミニ紅白パックが主力。消費者行動研究所の調査によると、受験生の4人に1人が受験会場にキットカットを持参するそうで、まさに縁起菓子の大本命。
キットカットを追いかける各社も必死だ。明治製菓は定番商品のカールの受験用として「ウカール」バージョンを発売。パッケージもお守りをイメージしたデザインとなっている。また、ハイレモンの受験バージョンとして、「ハイレルレモン」を用意。受験シーズンを体調を崩さないで過ごせるよう、なんとビタミンCが通常のハイレモンの3倍となっており、ただの駄洒落で終わらせていないところに好感が持てる。
お口の恋人ロッテは、コアラのマーチの合格祈願パッケージを用意。コアラは寝ている時も木から落ちないということにあやかっているよう。他にもチョコレート菓子のトッポは「トッポで突破」、ガムのキシリトールは「きっちり通る」ということで、受験バージョンが用意されている。
他には、森永製菓のチョコフレーク(フレーフレー)、東ハトのカナエルコーン(キャラメルコーン)、亀田製菓の勝ちの種(かきの種)など、もはや何でもありの状況だ。コンビニやスーパーなどの小売各社も特設コーナーを設けるなどして、なんとか受験の神様のご利益にあずかろうと躍起になっているようだ。
ただの駄洒落と一笑に付すなかれ。昔から日本人は言葉に魂が宿ると考え、良い事にも悪い事にも語呂合せを使って縁起物としてきたのだ。現代でも冠婚葬祭などでは縁起物や忌み言葉を重視する風習はまだまだ健在。このような日本の伝統とも言える言葉の文化が、縁起菓子のヒットを支えているのかもしれない。
でもオヤジギャグですよね、これ・・・
メーカーのネタ出し現場に居合わせたらつらそー