25日の読売新聞の記事によると、昨年12月、西東京市の小学校に勤める新任の女性教師が自殺を図り死亡したのは、長時間労働や学校側の支援体制の不備が原因として、遺族の代理人が地方公務員災害補償基金東京都支部に公務災害の認定を求めることを明らかにしたとのこと。
同記事では、残業や土曜日出勤の常態化、さらに深夜まで携帯電話に保護者からの電話が入るなど、過酷な勤務状況が伝えられている。女性教師はうつ病で一時休職していたが、その後復職し精神科に通院しながら勤務を続けていたようだ。
文科省の統計によると、精神性疾患による教員の休職者数は平成8年度の1,385人から急増し、平成17年度には4,178人となっている。また、病気休職者の原因に占める精神性疾患の割合は36.5%から59.5%と大幅に増加しており、深刻な問題となっている。教員の勤務実態については、5月に公表された教員勤務実態調査報告書において、1日あたりの残業時間を約2時間と報告されているが、実際には教員によって勤務時間や仕事量に差が生じているのが現実のようだ。
教員の多忙感解消のためには、文科省が教員の事務作業を軽減しするためのプロジェクトチームを発足させたり、教育再生会議が25日に決定した第3次報告の中で、学校だけでは対処が難しい保護者との問題に対応するためのチームを設置するなど教員の負担軽減のための提言を盛り込むといった行政の取り組みが進められている。しかし、これら全体的な対策では、個々の教員によって異なる業務負担やストレスに対応するには限界もありそうだ。6月にも同様のケースで自殺した新任教師の例もあり、早急に実効性のある対策が求められている。
- 「教諭自殺、学校に責任」両親が公務災害申請(読売新聞)
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06102510.cfm - どこまで本気? 文科省が事務軽減のプロジェクトチーム設置(2007/11/14)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070393 - 教員の「残業手当」にも“メリハリ”導入へ(2007/6/14)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070077 - 教員の勤務実態が明らかに―文科省、40年ぶりの調査(2007/5/25)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070030
ご苦労お察しします。
文科省や保護者に振り回される教員のみなさんをなんとかフォローするような仕組みが必要だと思います。