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都教委、モンスターペアレントの実態を調査―学校にも問題
kyoikujin
2008/9/25 掲載

 東京都教育委員会の調査によると、学校が保護者や地域住民などから理不尽な要求を繰り返し受け、学校だけでは解決が困難なケースが、昨年度1年間に都内公立小中学校の約9%、都立高等学校の15%で発生していることが分かった。

昨年度の「学校だけでは解決が困難なケース」の発生校数と件数
幼稚園 小学校 中学校 高校 特別支援学校 総計
全学校数 215 1316 633 201 53 2418
発生校数 7
(3%)
113
(9%)
55
(9%)
41
(15%)
18
(13%)
234
(9%)
発生件数 8 126 66 70 56 326

 同調査は、都教委の「公立学校における学校問題検討委員会」が、学校や教育委員会への支援策の検討にあたり、実態把握のため今年6月、「公立学校における学校問題解決施策の検討に関する実態調査」を実施したもの。「学校だけでは解決が困難なケース」を、

  • 理不尽な要求等が繰り返し行われる。
  • 学校での対応には時間的・精神的に限界がある。

の2点に該当する状況としている。

 事例の多くは、児童虐待や家庭内の問題などが発端のようだが、同調査結果では「元々は学校側の対応に問題があり、要求が理不尽になっていく」点を、以下のような事例を挙げ指摘している。

 いじめの被害にあった児童の保護者が、担任に相談をしたところ、「お宅のお子さんにも問題がある」と言われた。このことに腹を立て、学校、教育委員会に執拗にメールやファクシミリを送信する。

 現場からは弁護士・医師等専門家の派遣を望む声が多く上がっているようだが、まずはトラブルに発展しないように対応できることを、同調査結果では重視していると言えそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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