大野桂の算数熱中授業づくり(2)
なんでみんな♡になるの?(3年「かけ算のきまり」)
子どもの問いを引き出す【課題提示】と、課題に迫る【話し合い】の場の設定
2013/7/25 掲載
- 算数熱中授業づくり
- 算数・数学
- コメント(1)
熱中授業づくりのポイント
- 不思議なしかけで子どもの問いを引き出す
- 共通性を追究する話し合いの場を設定する
- 具体物の操作、式との関連付けでしかけに迫る
1 不思議なしかけで子どもの問いを引き出す
「かけ算のきまり」の導入授業の冒頭で、「先生と相性占いをしよう」と子どもたちに投げかけます。
T 先生と相性占いをしましょう。手順に従って、先生との相性を表すマークを決定しましょう。友だちと相談せず自分一人でマークを決定してください。
- 手順@
- 好きな2けたの数を頭に思い浮かべます
- 手順A
- @の数−@の数の一の位の数
- 手順B
- Aの数−@の数の十の位の数
- 手順C
- Bの数に対応するマークを下の表から選びます
0 △ |
10 ☂ |
20 ☁ |
30 ☀ |
40 ☃ |
50 ☂ |
60 △ |
70 × |
80 ◎ |
90 ♡ |
1 ☀ |
11 △ |
21 ◎ |
31 ○ |
41 ☁ |
51 ◎ |
61 ◎ |
71 △ |
81 ♡ |
91 ☆ |
2 ○ |
12 ☃ |
22 ☆ |
32 ☁ |
42 ◎ |
52 ☁ |
62 ☀ |
72 ♡ |
82 ☁ |
92 ◎ |
3 ☁ |
13 ◎ |
23 ☀ |
33 ☂ |
43 ☃ |
53 ○ |
63 ♡ |
73 ☂ |
83 ○ |
93 ☂ |
4 × |
14 ☆ |
24 ○ |
34 ◎ |
44 △ |
54 ♡ |
64 × |
74 × |
84 ☆ |
94 ☃ |
5 ◎ |
15 × |
25 △ |
35 ☆ |
45 ♡ |
55 ☀ |
65 ○ |
75 ☆ |
85 × |
95 ☀ |
6 ☂ |
16 ☀ |
26 ☃ |
36 ♡ |
46 × |
56 ☆ |
66 ☂ |
76 ☀ |
86 ☀ |
96 ○ |
7 ☆ |
17 ○ |
27 ♡ |
37 × |
47 ○ |
57 ☆ |
67 ☃ |
77 ◎ |
87 △ |
97 × |
8 ☃ |
18 ♡ |
28 ☂ |
38 △ |
48 ☀ |
58 ☂ |
68 ☁ |
78 ☁ |
88 ☁ |
98 △ |
9 ♡ |
19 ☁ |
29 × |
39 ☃ |
49 ☆ |
59 × |
69 ☆ |
79 ○ |
89 ☂ |
99 ♡ |
子どもたちがマークを決定したら、一人だけ前に呼び、他の子にわからないように、その子のマークを的中させます。
T では、マークを当てます。先生との相性は…、♡でしょ?
C すごい! なんでわかったの?
これを繰り返し、数名のマークを次々に的中させていきます。
2 共通性を追究する話し合いの場を設定する
実は、この相性占いでは、どんな2けたの数を選んでも手順Bでは9の倍数になり、マークは♡になります。
先生が次々にマークを的中させたことに疑問を抱いた子どもたちは、まわりの友だちのマークが何かを確認し合い、全員が♡であることに気付きます。
C あれっ? みんな♡じゃん!
C でも、@で選んだ数はバラバラなのに、なんでみんな♡になるの?
C みんなBの数は何になった?
C 18
C 54
C 81
C 63
…
C あっ、これって全部9の段の数だよ。
C @ではみんなバラバラの数を選んだのに、なんで全部9の段の数になるの?
C 計算の手順がみんな一緒だったから、手順に秘密があるんじゃないかな?
T じゃあ、どうして手順に従って計算すると9の段になるのか考えてみよう。
上のやりとりからわかるとおり、共通性を追究するという行為は、問題を解決する行為そのもので、子どもが主体的に共通性に気付こうとするような話し合いの場を設定することが大切です。
3 具体物の操作、式との関連付けでしかけに迫る
子どもたちが計算の手順に秘密があると感づいたところで、具体的な数を1つあげ、ブロックを用いて手順を再現するように促します。
T @を38にした場合で計算の手順をブロックを使って表すとどうなる?
C まず一の位をひくから、38−8=30だ。
C Aをすれば、どんな数でも必ず“何十(一の位が0)”になるよ。
T Bで、あと3個とれば9の段になるよね? 9の段は見えますか?
C あっ、10のまとまりから1個ずつとれば9のまとまりが3つになるよ。
C 本当だ、9の段が見える!
T 今のことを式にするとどうなりますか?
C 10×3−1×3=9×3(かけ算のきまりを確認する)
このように、問題場面を具体物や図で表し、操作することでしかけが見えてくるという経験、そして、それを式と関連付けることでしかけが明らかになるという経験は、問題解決力をはぐくむうえで非常に重要です。
(構成:矢口)
コメントの一覧
1件あります。
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- 1
- 佐野まなみ
- 2013/8/10 6:19:30
かわいい先生でいてね。
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