教育オピニオン
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「道徳」で国家の背骨をつくることだ
北海道小清水町立小清水中学校長長野 藤夫
2011/12/9 掲載

 世の中、どこかおかしい。
 ごね得、横車、無理押しや、法の精神を踏みにじる輩は、昔からいることはいた。
 だが、それは一部に限られ、その部分を「シャットアウト」することで社会はビクともしなかった。まじめに生きたい人間は、それこそ普通に、まじめに生きていくことができたのだ。
 だが、ここのところ、雲行きが怪しくなってきている。シャットアウトできない部分で、そのようなことが生じてしまっているのである。
 たとえば、沖縄県教育委員会、竹富町教育委員会だ。子供に「決まりを守ろう」と指導すべき立場にある者が、詭弁を弄して法令をねじ曲げる。子供が同じようなことを始めたら、なんとするのか。
 たとえば、軽口をたたいて問題になる大臣たちだ。国民の模範たるべき地位にあるという自覚がこれっぽっちもない。黙って結果を出す。結果が出なかったら、黙って辞表を出す。それでこそ「国民の模範」であろう。
 まったく困ったものである。
 だが、なぜ、おかしくなってしまっているのかである。
 原因ははっきりしている。「道徳」である。日教組の道徳授業拒否による効果が、今、出現してきているということなのだ。道徳を学んでこなかった世代が、社会の中心を担う時代になっているのである。
 このままでは、国家の背骨が溶けていってしまうと言わざるを得ない。

 だが、まだ間に合う。心ある教師たちには、ぜひ道徳授業に取り組んでいただきたいと願う。
 その視点は、たった一つである。
 「何が美しく、何が尊いことなのか」
 たとえば、

1.親孝行せよ。

 これに反対する者はいまい。「親孝行をしてはいけない」という真理など、どこを探しても出てこない。

 次はどうか。
2.兄弟姉妹は互いに力を合わせて助け合え。
3.夫婦は仲睦まじくせよ。
4.友達同士信じ合え。
5.言動は慎み深くせよ。
6.すべての人々に愛の手を差し伸べよ。
7.学問を怠ることなく、仕事に励め。
8.知識を養え。
9.人格を磨け。
10.進んで社会公共のために尽くせ。
11.法律や秩序を守れ。
12.非常事態が起きた場合は、真心を以て助け合い、国の平和と安全に貢献せよ。

 どこの世界に「友達同士信じ合うのに反対だ」などという者がいるかである。
 断言してもいい。これらに反対する人など、どう考えてもいるはずがない。いずれも、何人にも共通する真理なのである。
 にもかかわらず、この大切な事柄は反社会的な勢力により消し去られてきた。なぜなら、これらは「教育勅語」に書かれていることだからである。その結果が、今日の状況を生み出しているということなのだ。
 もう、そんなくだらないことはやめなくてはならない。
 大切なことは、いつの時代でも大切なことなのだ。
 「教育勅語」に示されている12項目をきっちりと教えていく。そうすることで、「国家の背骨」ができていくのである。

長野 藤夫ながの ふじお

北海道小清水町立小清水中学校長

1962年茨城県岩井市出身。早稲田大学第一文学部哲学科東洋哲学専修卒業後、会社員を経て、平成元年新潟県公立学校教員、平成4年北海道に転じ、平成21年北海道雄武町立雄武中学校長、平成23年現職。
TOSS中学網走みみずくの会代表。吉田洋一・前北海道教育委員会教育長率いる北海道師範塾「教師の道」副塾頭。
【主な著書】『「学級だより」を学級づくりの核に』『「美しい生き方」を中学生に自覚させる』『ドラマを創る学級づくりの演出[中学1年]』『「命の授業」の視点を授業する』『学級統率・中学生との闘い方』『「道徳授業改革」出発点としての授業』『「愛国心・公共の精神」を教える』(すべて明治図書)。講演CD『「愛国心・公共の精神」を子供に教えよう』(暦日会)。編著書多数。

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