「関心・意欲・態度」、「思考・判断・表現」、「技能」、「知識・理解」の観点別学習評価について、新学習指導要領でもその必要性はうたわれている。以前から「指導と評価の一体化」という言葉もあるが、実際のところ、高校では小中学校ほど定着していない。
平成21年度に、教員対象に行った「文科省調査」によれば、「4観点の評価は定着してきているか」という質問に対して、「そう思う」「まあそう思う」という肯定的回答が、小学校約81%、中学校約76%に対して、高校は約41%にとどまった。逆に41%もあったのか、という印象を持たれた向きすらあろう。
それでは、その41%の中身であるが、同じく「文科省調査」によれば「定期テストに加え、平常点を加味して評価を行っている」という回答が約77%と圧倒的に多かった。この「平常点」の中身までは分からないが、おそらく出席点、レポート、小テストなどではないだろうか。あくまでも定期テストをベースにして、それ以外の資料を少々加算するというような実態が見えてくる。4観点から生徒を評価し、それを指導の改善につなげていこうという趣旨とはちょっと違っているかもしれないという危惧がある。
そのような中で、私は次の2つのことを提案したい。1つ目は、情意面の評価を行う方法を確立することである。具体的に言えば「知識・理解」偏重の定期テストに「思考・判断・表現」や「技能」を評価できる問題を加えることや、「関心・意欲・態度」を評価できるワークシートを作成することなどが挙げられよう。これらは、各学校の教科会が中心となって取り組むことになるが、「教育課程実施状況調査」の作問を初め、国立教育政策研究所の刊行物などが大いに参考になろう。また、そうした作問やワークシートの実践研究を集めた民間本の出版も期待している。情意面の評価を進めることが、次第に指導方法の改善につながっていくだろう。
2つ目は、評価の総括についての見通しを示すことである。小・中学校と異なり、指導要録に観点別学習状況を記載する欄のない高校においては、4観点の評価は即「評定」に直結する。評価をどう評定に総括するのかという具体的な方法については、各学校に任せるというより、国や都道府県教委がイニシアティブを取って実践研究を進めるべきではないかと考えている。
ところで, 冒頭の部分に調査結果がありますが, この根拠となるソースはどこかにあるでしょうか。ご提示いただければ幸いです。
実は文科省もウェブページも見たのですが, なかなかヒットしませんでしたので, 助かりました。