- チームリーダーの仕事術
- 学校経営
1 固有名詞を入れて指示をする
「あなたにこそわかってほしい」「あなたにこそ聞いてほしい」と願う職員は、どの職場にもいる。指摘を受けても、我関せずというタイプの人間だ。
だが、リーダーは、躍起になってその職員をなんとかしようと思わない方がいい。もちろん、あきらめてもいけない。
では、どうしたらよいか。
例えば、全体の場で指示を聞いても自分には関係ないと思うのだから、個別に迫るしかない。指示の最中にさりげなく固有名詞を入れるだけでも違う。
「今月末までに、学年として文書を出さなくてはいけません。皆さん一人ひとりに書いてもらわないといけないのです。特に〇先生には、いつものユーモアある文章を期待しています」
などと固有名詞を入れて伝え、それとなくプレッシャーをかけるのだ。
2 一役一人制で舞台を用意する
自分には関係ないと思っている職員には、その人がやらざるをえない仕事を与えることだ。こう表現すると、マイナスのイメージがわいてしまうが、「その人の舞台を与える」と表現することもできる。プラスのイメージに転化するだけで、意識のもち方も違ってくるものだ。このようにして、チームの一員としての意識が低い職員には、存在感が出てくるような配慮=舞台を与えるとよい。
例えば、校務分掌で言えば、形式的に各学年全員が何かしらの担当になるよう、必要がないのに1つの係に複数人を割り当てていないだろうか。長年の経験から断言するが、多くの職員は校務分掌の先頭に名前が書かれた者のみが担当であると思い込んでいる。このことから「一役一人制」をとったことがある。1つの役目は一人が果たすという組織にしたのだ。当然、動かざるをえない。「ここはあなただけの舞台です」と示したのである。
3 リーダーがペアになる
「一役一人制」をとっても、自分の担当に無頓着な職員はいる。腹立たしさを感じることもあるだろうが、リーダーが先に腹を立てては負けだ。
リーダー自らがペアになり、果たさなければならない業務や場面を設定するのはどうだろうか。ペアを育てる意識を持ち、一声かけながら一緒になって業務に取り組む中で、チームへの所属意識を高めることができるはずだ。
「師弟同行」という言葉がある。師匠も弟子も同じ行い(振る舞い)をすることが、教えることの基本という意味である。リーダーとしての「師弟同行」の精神を問われていると考えてみよう。
4 日ごろのひと言を忘れない
当事者意識が低い職員も、もともとそのように意識が低かったわけではないかもしれない。周囲の無関心が、本人の集団への所属意識を低下させてしまったことも考えられる。
このように考えれば、所属意識をもたせることは簡単である。日ごろのひと言を大切にすることだ。業務を完遂した場合は、職員集団の前でそのことを価値付けるひと言を発するようにしたい。
今回のPoint!
当事者意識が低い職員には役割を意識させる個別の指示・言葉かけを。