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いつも自然に出る言葉は「ありがとう」です。この言葉は決して社交辞令ではありません。校長として方向性をしっかり示していますが、それに基づいて具現化してくれるのは職員だからです。職員の存在があってこその学校運営ですから、「ありがとう」と心の底から出てくるのです。そして、日ごろから職員の動きをよく見て、具体的に話すことを心がけています。「企画委員会での一言は、実にバランスよい意見でした」とか、「若手教師への指示が明確でいいね」と、“校長は自分のことをよく見てくれている”と感じてもらえるように心がけています。
校長の考えや指示であっても、やはり自分の言葉で職員に語ることですね。「校長がこう言っていたからよろしく」といった伝達では、相手に伝わりません。そのためには、校長の考えをしっかりと理解することです。納得できなかったら、校長としっかり話し合いましょう。その際に、職員の立場で校長に質問をしたり、意見を述べたりするとよいでしょう。自分が職員に話すときに大いに役立ちます。
意外に感じるかもしれませんが、チームリーダーが仲間に世間話をすることです。「ねえ、今度出た新製品○○を知っている?」などと、教育にはまったく関係ない話題を提供することで、互いにほっとできるものです。時には、話題提供も兼ねて、新たに発売された文房具を買ってきて仲間に見せたり、珍しいお菓子を手に入れてきてミニ試食会を開いたりすると、癒し効果大です。
私は教員8年目に進路指導主事という立場になってから、研究主任、教務主任、教頭、校長など、ずっとチームリーダーとしての教員生活を送ってきました。リーダーとして学んだことは数限りありません。その中から、本書には、職員の心を動かすとっておきのフレーズ、仕事が驚くほどうまく片づく時間のやりくり、職員室の雰囲気づくりなど、秘密にしておきたいほどのとっておきの仕事術を厳選して書きました。ぜひお手元に置いていただきたい1冊です。