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こちらからつながろうという意識を持ち続けました。
具体的には、何かにつけてちょっとした一言をかけることです。「学級の掲示物が新しくなったね」とか「授業の雰囲気がいいねえ」とか「いつもシャッキとしているから好感をもたれるんだね」など、いいなと思ったことはできるだけ早く伝えるようにしました。
このように普段から声をかけていると、「あの対応はまずい」と感じた場面での指導もしやすいものです。声かけを重ねることで、若手との距離が縮まります。
保護者や地域の方の中で学校に関心を寄せていただける方には、伝えることより相談することを重視する姿勢で臨みました。
私は学校ホームページで、校長の思いを機会あるごとに伝えてきました。それに対してメッセージを送っていただいたり、直接感想を言っていただいたりした方には、お礼とともに、「今度はこのようなことを考えていますが、どう思われますか?」と相談するようにしました。相手はビックリされるのですが、「それはいいですね」と賛同が得られれば、「では、この取り組みに加わっていただけますか?」と巻き込むのです。
保護者や地域の方に、一緒に学校をつくっていこうと思っていただければ、何事も成功します。
講話原稿を、何度も何度も口に出して読みます(校長室から聞こえてくる読み練習の声を耳にした職員も多いと思います)。
ある程度原稿が頭に入ったら、生徒に語りかけるつもりで練習します。言い淀むところは、原稿の流れや言葉が適切ではないところですので、修正を重ねます。そのうちにその原稿に適した話し方が定まってくるものです
本番では、特に間と話すスピードに気をつけました。800人を超える生徒がいましたので、最後部で聞いている生徒に確実に思いを届けることを意識して話していました。
校長職を終えてみて、ますます校長の大変さを感じています。校長研修で講演させていただくことがありますが、「これから私の話を1時間聞いていただくより、今ここで寝ていただいた方が皆様にとってはよいのではないかと思います」と口に出るほど、疲れておられる先生方が目に飛び込んできます。
本書を読んでいただくと、疲れを忘れていただけます。私の仕事術の根底には、校長職を楽しむことがあるからです。「なるほど! こうすれば重責も楽しめるのだ」というアイデアを満載しました。校長が元気になればなるほど、学校は元気になります。本書を参考にしていただき、全国の校長先生に学校づくりを楽しんでいただけることを祈念しています。