全国各地の小学校で夏休みが始まりました。家族でお出かけしたり、家でのんびりしたりと様々な過ごし方をしていることと思いますが、学童保育で1日の大半を過ごしている子どもたちも多いことでしょう。
共働きや一人親家庭の子どもたちにとって家庭に代わる生活の場として大切な学童保育ですが、ここ数年大規模化がいっそう深刻になっているとのこと。21日の読売新聞の記事でも紹介されています。
全国学童保育連絡協議会の行った学童保育に関する実態調査(2007年5月1日現在)によると、学童保育に入所している児童数は74万人。昨年比で6万人増、4年前と比べて21万人も増えています。背景には、共働きや一人親家庭の増加や放課後の安全面に対する不安があるようです。この入所児童数の急激な増加に学童保育の設備が追いつかず、大規模化がいっそう広がっているといいます。(※1)
保育園と異なり、学童保育には国や自治体に設置運営基準がないため、定員を定めている学童保育は約4割のみ。残りの6割の学童保育では定員はありません。限られた設備の中に子どもの人数だけ増えたらどうなってしまうのか。子どもたちへの影響が心配されます。
同協議会の報告書でも、大規模化によって「事故や怪我が増えた」「騒々しく落ち着かなくなる」「指導員の目が行き届かない」「遊びや活動が制限される」など子どもたちににさまざまな悪影響を与えたりや負担を強いる結果になっていることが指摘されています。
このような中、厚生労働省は、「放課後児童クラブ(※2)ガイドライン案」を5日に発表しました。この原案には次のような内容が盛り込まれています。(詳しくは、「放課後児童クラブガイドライン」に関する御意見の募集について(厚生労働省)をご覧ください。)
- 集団の規模については、おおむね40人程度までとすることが望ましい。1放課後児童クラブの規模は最大70人までとすること。
- 夏休みなどの長期休業期間は8時間以上開所すること。
- 子どもが生活するスペースについては児童1人あたりおおむね1.65u以上の面積を確保することが望ましい。
この案で果たして充分かどうか? みなさんはどう考えますか?
厚生労働省では、このガイドラインについての意見を7月26日まで公募、正式なガイドラインを今年8月末までに策定する方針とのこと。既に公募の期限は過ぎてしまいましたが、今後の動きに注目していきたいものです。
※1 ガイドライン案に望ましいとされていた40人未満の規模の施設に入所している児童は26.7%。全体の4分の1ほどしかいない。71人以上の施設に入所している児童は28.8%。
※2 国(厚生労働省)は、学童保育を必要とする児童を「放課後児童」、学童保育のことを「放課後児童クラブ」と呼んでいる。
- 学童保育に関する実態調査報道発表資料(PDF)(全国学童保育連絡協議会)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Gakudou/2007kasyosuu.pdf
定員が決まり、子どもの環境改善になるのはいいですが、待機児童が増えないような対策も必要でしょうね。