きょういくじん会議
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授業時間数増で、どうなる算数教育
kyoikujin
2007/9/2 掲載

 文部科学省が、学習指導要領改訂の基本的な考え方と、小学校の新教育課程の素案を、中央教育審議会に示したことが、30日付の新聞各紙で報道された。
 総合的な学習の時間を減らし、国語や算数などの授業時間数を増やすなど、いわゆる「ゆとり」路線からの転換が明確に示されることとなった。

 授業時間数が増えれば、増えた時間がどのような内容に割り当てられることになるのか、なども気になるところ。
 低・中・高学年とも授業時間数増が予想され、現行指導要領下では何かと問題点が指摘されることの多かった算数は、どのように変わっていくのだろうか?

授業時間数、内容とも大幅に減ってきた算数

 まず、授業時間数についてだが、現行の学習指導要領と平成元年改訂の学習指導要領を比較すると、6学年トータルで140時間強減っている。
 1〜3年についてはあまり変化はないが、4〜6年が各25時間ずつ減っているのが目立つ(ちなみに昭和43年改訂の学習指導要領と比べると4〜6年は各60時間も減っている)。
 そのため、現行指導要領改訂時には、高学年の学習内容が中学校に先送りされるケースが相次いだ。
 たとえば、場合の数、文字を使った式、反比例、立体の見取り図・展開図などといった内容は全て中学校に先送りされることとなった。
 皮肉なことに、これらの学習内容の多くが、近年行われた数学に関する内外の大規模学力調査において、課題点として繰り返し指摘されている。

増えた時間数をどのように使うか

 しかしながら、ただやみくもに学年配当を前倒ししたり、新しい学習内容を取り入れるだけで、諸問題が解決されるわけではないことは、算数・数学科においては過去の改訂で経験済みだ。
 いわゆる算数・数学の「現代化」の波に乗って行われた、昭和43年の指導要領改訂では、新しい学習内容が盛んに取り入れられたが、学校現場での十分な理解が得られず、それ以後、学習内容は減少の一途を辿ってきた。
 また、小・中とも現行指導要領改訂時に削除された統計にかかわる内容が、2003年に行われたOECDのPISA調査(数学的リテラシーにかかわる出題)で大々的に出題されたことなどもあり、国内だけでなく、国際的なスタンダードをも視野に入れた改訂が求められている。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/9/5 8:43:47
    統計とか確率って苦手でしたけど、数学の中では実生活に一番近い単元な気もしますね。
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