きょういくじん会議
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「ネットいじめ」4割が見聞き―大人はどう対応する?
kyoikujin
2007/9/7 掲載

 最近、携帯電話やネットのトラブルに子どもたちが巻き込まれる事例が多く、きょういくじん会議でも子どもとネットの関係を何度か扱っている。個人情報の流出や、出会い系を通じたトラブル等、ネットが原因で子どもが被害者になる事件は後を絶たないが、子どもが「加害者」になることもある。それがネットいじめだ。

悪質な「ネットいじめ」、ウソの書き込みや写真の掲載も

 ネットスター株式会社が中学生500人に対して行った調査によると、ネットいじめを見聞きした生徒は全体の4割にものぼるという。中3女子に限れば6割にもなる。
 いじめの手法は「『死ね』等のメールを直接送る」が一番多く、相手の名前をかたったブログ等への書き込みや、相手への中傷や個人情報を書き込むケースも多い。実際にいじめられたり見聞きした事例を見ると、「自分の恥ずかしい写真や動画などを勝手に掲示板に貼られた」ケースもあり、事態の深刻さがうかがえる。
 いじめの行われる場所は、自分の運営するブログや当事者に関係のない掲示板等が多いが、問題となった学校裏サイトなども挙がっている。
 また、今回の調査では全体の4割超、中3女子では6割がブログやプロフを運営しているとの数字も出ていて、ネット上でのコミュニケーションが彼らにとって欠かせないものとなっていることがうかがえる。ネットでのコミュニケーションが普及した「負の側面」として、ネットを利用したいじめが生じてしまったのかもしれない。

子どもとケータイの関係、大人はどう考える?

 最近の子どもたちを取り巻くネット環境は目まぐるしく変わり、「モバゲータウン」や「ふみコミュ」のようなティーン向けSNS(※)から、学校裏サイトのような掲示板、プロフのような簡易ブログ等、次々に活動場所が移っていき大人には全体状況が把握しづらくなっている。そして、これらのサイトは大抵、携帯電話から利用できるので、より一層大人の目が届きづらいところで彼らは外部とコミュニケーションをとっていることになる。
 子どもたちに携帯電話とのつき合い方を伝えるためにも、教師や親は子どもたちのネット生活を把握したいところだが、なかなかに困難そうだ。
 一方、毎日新聞の記事では、無料のフィルタリングサービスに対して保護者が無関心とされており、親たちの意識の低さもうかがえる。様々な欲望が混在するネット上で、子どもたちを被害者にも加害者にもしないためには、IT-mediaの記事にある下田教授の発言のように、「ケータイを甘く見」ずに、携帯電話で何ができるかを知っておく必要があるのではないだろうか。

 子どもにとって携帯電話は、カメラにもなり、ゲームやマンガも楽しめ、ネットを通じて大人の知らない遊びもできる夢の機械だが、いじめ等の「負の側面」も大きい。携帯電話の所有が当たり前となった今、教師や親は、子どもとケータイの関係にどう対応すればよいのだろうか。

※SNS…ソーシャル・ネットワーキング・サービス。会員制のコミュニティサイトで、参加者同士のつながりを促進するサービスを提供する。「モバゲータウン」は無料のゲームが楽しめる携帯専用SNS、「ふみコミュ」はティーンの女子にターゲットを絞ったSNS。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
4件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/9/10 17:39:17
    これからは、「情報が暴力になる」ということに、もっと大人が深刻になるべきですね。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/9/10 17:44:42
    物心ついたころから、インターネットがあった世代はコミュニケーションの質が違う気がします。反射的というか、チャット的というか…
    その辺りに詳しい人がいたら教えて欲しいです。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/9/11 9:15:55
    情報は暴力にもなりますが、過度な規制には反対です。
    なので、某巨大掲示板やブログなどのネットの議論を規制しようという、人権擁護法は絶対反対。この羊頭狗肉な名前考えた人は稀代の詐欺師だと思う。
    • 4
    • いじめ自殺防止
    • 2007/10/12 2:51:29
    いじめ対策の参考へ

    http://ijimejisatubousi.blog100.fc2.com/

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