中国産食材の使用中止―「学校給食の安全」は守られるか
5日の北日本放送の記事によると、中国産食材の安全性への不安が高まる中、富山県では多くの市町村で中国産食材の給食への使用を2学期からとりやめた。しかしコストや量確保の問題など、悩みの種は多いようだ。
“地産地消”、食料自給率への意識など、食育の一貫として「地元の農林水産物を給食に」という取り組みが、地域によっては行われている。先日、給食費の未納が4万人分で20億円を超えるとの調査報告が発表されたが、給食にも原価があり、このような状況では給食費が圧迫されるのは当然であろう。
一方で検査の問題もある。7月4日付の産経新聞で報道された、横浜市で給食に使用予定の中国産キクラゲから、基準値の2倍の農薬が検出されたケースでは、検査は市の給食会が独自に行っていたそうだ。「日本はきちんとチェックできる検査体制ができている」との当時の厚生労働大臣の発言もあったが、抜き打ち検査などが行われるのは一部であり、大量の食品検査に関しては「書類検査が大半」との報道もある。「食の安全」に関しては独自の監視の目が必要とされているのかもしれない。
そもそも、問題となった「基準値」というものが実はくせもの。問題のキクラゲから検出された農薬・フェンプロパトリンは、実は日本国内でも多くの果物・野菜に使われているもので、残留基準値もその種類によって異なって設定されている。例えば、レモンについてはキクラゲの500倍の数値だが、キクラゲに関しては、日本国内では基準値が設定されていないという状況がある。
子どもたちが、毎日口にする学校給食に関しては、このようなケースをふまえて、より慎重な対応が求められるべきであろう。
- 給食費未納、4万人分20億円超 初の全国調査(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070108/gkk070108000.htm - フェンプロパトリンの残留基準値(日本食品化学研究振興財団)
http://m5.ws001.squarestart.ne.jp/zaidan/agrdtl.php?a_inq=59400
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
全部避けるのはちょっと無理かも。
冷凍食品や加工品は産地が記載されていないので怖いですよね。
でもなるべく国産を食べるって広い意味での地産地消ですし、
多少食費は高く付きますが良いことですよね。
ソースは?
輸出は日本向けだけじゃないのに日本企業のせいにするとはこれいかに。