きょういくじん会議
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働く女性たちの結婚・出産・育児を支援―厚生労働省
kyoikujin
2008/2/17 掲載

 厚生労働省は、結婚・出産・育児と仕事を両立させようとする女性たちを支えるために新たな方針を発表した。働く女性・母親たちへの支援策として効果を発揮することはできるのだろうか。

 1月6日の読売新聞によると、厚生労働省は、女性が結婚・出産後も仕事を続けやすい環境を実現するために、先輩社員が相談に乗ったり、指導したりする「メンター」の養成事業を実施するとのこと。具体的には、全国各地でメンターとなりうる女性を対象として役割や指導方法についてのセミナーを開き、出席した女性たちのネットワーク作りの支援も行うという。

 また、今月4日の時事通信によると、厚生労働省は、親に代わって自宅で子どもを預かる「保育ママ」の要件を緩和する方針を固めたとのこと。保育士や看護師の資格を持っていることが条件だったが、資格がなくても市町村の判断で保育ママになることができるようになる。また「保育の質」を確保するため、研修を義務付けるという。

 メンター事業の実施や保育ママの法整備に力を注ぐ厚生労働省の働きは評価したいが、これらのことが実際に機能して女性たちを支えられるようになるには、多くの障害や、検討を必要とする事案も少なくないだろう。

 第一に、メンター事業では、どのようにして民間企業への働きかけを行い、企業内でのメンター制度確立を実現させるのか。メンターとなる女性の育成はもちろん重要だが、メンターが企業内でその役割を果たすためには、自主的な活動に任せるだけでは実現は難しいだろう。「女性の結婚・出産のメンター」という考え方が、ある程度浸透するまでは、政府による何らかのてこ入れが必要になってくると思われる。

 第二に、保育ママについては、保育の質を確保するための研修の内容と方法をどのようにするのか。要件緩和によって門戸は広がり、総数を確保することが可能になるが、研修の内容・方法・成果によっては、「質」の確保に不安が残る。あくまでも利用者が安心・信頼できる「保育ママ制度」でなければ、保育ママの数を増やしても本末転倒といえるだろう。

 しかしなんと言っても「はじめの一歩」が最も重要であることは否めない。メンター事業と保育ママ制度は働く女性たちの支えとなるのか。今後の動きに注目したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • s
    • 2008/2/17 21:18:05
    これで、さらに学校が荒れるかも。それも、田舎で。行き着くところまで行かないとやめられないのが日本人の性質だからな。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2008/2/18 9:14:47
    >1
    確かに家庭環境を疎かにするツケが学校にまわってきそうですね・・・。
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