歩道を歩いていると、後ろから急にベルが聞こえ、猛スピードで自転車が脇を通り抜けていく。このような経験はないでしょうか? 今年は改正道路交通法の施行される年で、自転車に関するルールが見直されており、このような運転も取締りの対象になる可能性があります。
道路交通法の改正で取り締まりも強化?
この10年で自転車関連事故の件数は約1.2倍になりましたが、対歩行者の事故に限ると4.8倍に増加したというデータがあります。自転車は子どもから高齢者まで親しんでいる乗り物で、「車両」であることが忘れられがちですが、ルールを守らなければ歩行者にとって立派な脅威となり得ます。子どもが当事者になることも少なくありません。
このような状況を改善するため、昨年6月には道路交通法が改正され、今年の6月までに施行される予定です。警察庁は、この機会に曖昧な扱いだった自転車使用のルールを周知・徹底しようと、罰則の明文化や自転車安全利用の5原則を盛り込んだ「自転車の安全利用の推進」という文書を1月21日に発表しました。以下、再確認されたことと新たな規定をまとめてみました。
通行場所について
車道通行・左側通行が原則として再確認されました。路側帯を通行する際は歩道者者の進行を妨げないよう、また、歩道を通行するときは車道寄りを徐行するように求められています。
今回の道交法改正では自転車の歩道通行に関する規定が追加され、歩道通行可の標識がある場合の他、13歳未満の児童・幼児が運転する場合、車道が危険でやむをえない場合と規定されました。
それ以外の理由で歩道を通行することはもちろん、ベルを鳴らして歩行者をどかすことも認められていません。場合によっては罰則対象となります。
小学生以下の子どもには歩道通行時のルール、中学生以上には車道通行時の注意点を教える必要がありそうです。
乗り方のルールについて
自転車は自動車と同様に、道交法に基づいた罰則が適用されています。今回は改めて自転車使用ルールの規定を再確認しています。
夜間の無灯運転や二人乗り運転が禁止されていることは有名ですが、交差点での一時停止標識も遵守する必要があるのはご存知でしょうか? 違反すると3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金となります。酒気帯び運転は5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。飲み会後の自転車運転は絶対にやめましょう。
携帯電話で話しながらや、傘をさしながらの運転も安全運転義務に違反する場合(3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金)があります。スピードの出しすぎや、幼児を乗せた3人乗りなど、他人に危害を及ぼし得る走り方も禁止です。標識のない場所での並進も同様です。
また、今回の改正では、努力義務として児童・幼児にヘルメットを装着させる規定も追加されました。
自転車運転免許証で子どもに自覚を
自転車は子どもでも無資格に乗ることができるため、ルールを教え、交通社会の一員としての自覚を育てる必要があるといえます。最近では自転車の運転免許証を発行する自治体も増えています。2002年に全国で初めて自転車運転免許証を発行した荒川区では、簡単な筆記試験と実技試験を修了した小学4年以上の子どもに発行しており、2006年までに5000人以上が取得したそうです。警察庁も一昨年には1府3県で自転車免許証普及事業(PDF)を実施し、子どもたちが自発的に学ぶ効果に注目しています。
道交法改正は自転車を交通秩序の中に組み込もうという考えによるものです。ルールを整備し、禁止事項によって自転車運転の危険性を認識させることは確かに大切なことです。しかし、子どもたちには外からの強制だけではなく、ルールの根本にある弱者への思いやりを理解した上で、内発的にマナーを学んで欲しいとも思います。まずは大人がしっかりと自転車のルールを理解し、交通社会のマナーを子どもと一緒に考えてみてはいかがでしょうか?
- 競技用自転車で死亡事故―路上駐車の車に衝突(2007/7/20)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070154
ヨーロッパのように自転車道のインフラ整備から始めないととは思います。
自転車は、エコロジーの面からも都市ではもっと活躍していい乗り物だと思うのですが、東京は完全に車社会になっています。
子ども2人いたら3人乗りせざるを得ません。
特に、小中学生の乗り方はもちろんですが、交通ルールを守らないところにも大きな原因があると思います。そのためにもまず大人がルールを守らないと行けませんね。自分の町では、携帯電話をしながら自転車に乗っている人をたくさん見かけます。そういう行動から改めていかないと子どもたちも変わらないのではないかと思いいます。
自動車が自転車や歩行者に優しいことがその前に必要でしょう。クラクションやベルを弱い立場の人に平気で使う人がいるし,車同士で気を遣うことはする。運転免許を持つ人の条件を考えて欲しいと思います。