きょういくじん会議
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教育現場でもヨガ導入―「布教行為」と反対の保護者も
kyoikujin #93
2008/10/22 掲載
ヨガ・ベーシックス〜初級編〜

 「メタボ」という言葉が一般的になった今、ダイエットは女性だけでなく男性にとっても気がかりな問題のひとつ。これまで数多のダイエット法が試され、流行し、廃れていきましたが、結局のところ適度な運動に勝るものはナシ。中でもヨガは、数多くのスクールが存在し、スポーツジムでも必ずと言っていいほどプログラムが開催されている定番のエクササイズ。あの任天堂Wii Fitでもおなじみのメニューですね。

 そんなわけで日本人の多くはヨガと聞くと、インド発祥の美容と健康のためのストレッチみたいなもの、というイメージを持つ人が多いと思います。しかし実際のヨガは、ヒンズー教の教えを実践するためのインド古来の修行法であり、精神を進化させるための技法なのだそうです。私たちの身近に存在する「ヨガ」の多くは、その一部の修行法にフィットネスの要素を取り入れて改良したもので、本来のヨガとは似て非なるものも多いのだとか。

 さて、そのヨガをアメリカの学校では、集中力、忍耐力がつき、子どもたちの授業態度の改善につながるとしてカリキュラムに加えているそうです。現在は全米の約100校ほどでヨガを教えており、教師がヨガ指導員資格を取得するための資金も政府が援助しているんだとか。スポーツとして体育の授業に採用するほか、試験前のストレス解消法として教えたりと、ヨガが教育と深く関わりあっている様子がうかがえます。それだけアメリカでは人々の生活にヨガが浸透しているということでしょうか。
 しかしそういったヨガの長所を前向きに取り入れている反面、もともとのヨガのヒンズー教との結びつきにこだわる保護者もいるようです。
 15日付のCNNニュースによると、ニューヨーク州の高校がヨガを「レイダー・リラクゼーション」と呼ぶことを条件に、体育の授業に取り入れることを決めたとのこと。一部の保護者が、学校でヨガを教えることはヒンズー教の布教につながると反対したためですが、実際の授業内容は変わらないとのことなので、一体どういった基準でその保護者たちが反対を唱えたのかはわかりません。いくら名前を変えてもヨガはヨガなのでは…と思ってしまうのは、私が無宗教だからでしょうか。

 ちなみに日本の教育現場でも、少しずつですがヨガが広まってきているようです。国際ヨガ協会のホームページをのぞいてみると、「広がる活動」というページに、保育園の「たいそう」としてのヨガ、学校の部活動での「トレーニング」としてのヨガなど、いくつかの事例が載っています。まだこちらは手探りの状態なのでしょうが、宗教に対して割とオープンな感覚の日本では、またアメリカとは違った感覚で教育現場でも受け入れられていくのかもしれませんね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/11/27 14:23:08
    こういうニュースをみるといかに日本人が宗教に寛容というか適当なのを実感しますね。
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