文部科学省の主導で10年余りに渡って推進されてきた、公立の小・中学校における、いわゆる「学校選択制」。当初は、制度を導入する自治体数も順調に増えていたものの、様々な課題が指摘され、ここにきて廃止や見直しに踏み切る自治体が増え、大きな転機を迎えている。今回は、28市区と全国で最も多くの自治体が学校選択制を導入している東京都のうち、板橋区の制度からその実情や課題を探った。
板橋区の学校選択制の概要
板橋区では「保護者の学校選択意思の尊重、特色ある学校づくりと開かれた学校づくりによる区立学校の活性化など」を目的として、区内の全公立小・中学校を対象に、2004年度から制度の導入に踏み切った。現在のところ、板橋区では学校選択制の廃止や見直しの動きはみられない。
同区では、入学する前年に「選択希望票」と「学校案内」が配布され、通学区域以外の学校への入学を希望する場合は「選択希望票」に入学を希望する学校名を記入して提出する仕組みになっており、受入枠を超える応募があった場合は、抽選を行っている。
学校を選択する理由、判断基準
同区の調査によると、2007年度に通学区域以外の学校を選択した理由の上位3つは、小・中学校とも、
1 兄姉が通学しているため
2 友人と同じ学校に通うため
3 学校の教育活動
となっており、必ずしも導入の目的と合致した結果にはなっていない様子がうかがわれる。
また、何を基準に学校を選択するかだが、同区では判断の大きな材料となる上記の「学校案内」に、保護者や子どもにとって直接的にかかわりが大きく、関心が高いと思われる学級担任レベルの情報などは年度替わりの異動を理由に掲載していない。
入学率にみられる学校間格差
10月22日の毎日新聞の記事によると、同区の小学校の今春の入学率(校区内で住民登録している就学者数に対する入学者数の割合)の最大差は237%(最低24.1%、最大261.1%)と、非常に大きな格差が生まれている。
また、同区の発表では、抽選を実施した小学校数は、制度が導入された2004年度は2校に留まったものの、2007年度には6校にまで広がっている。
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- s
- 2008/11/17 22:26:59
「自由」を使いこなすには、保護者の高い教養が必要であり、すべての保護者があるレベル以上にある必要があるが、そのような状況になることはまずあり得ない。保護者レベルで自由を与えるから「1 兄姉が通学しているため2 友人と同じ学校に通うため」などの自分の都合だけで学校を選ぶようになるのである。 -
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- 名無しさん
- 2008/11/20 17:57:53
自由に選ばせる代わりに入試でもすればよいのに。