女性89.7%、男性1.56%―。男性の方が極めて少ないこの数字は、厚生労働省の調査で明らかになった2007年度の日本の育児休業取得率です。まだまだ取得率の低い男性の育児休業ですが、内閣府のホームページでは、2008年12月から「パパの育児休業体験記」が公開されています。
「パパの育児休業体験記」は、その名の通り育児休業を取得した男性の体験記で、ここには84名の体験記が掲載されています。内閣府が男性の育児休業を促すために原稿を募集したとのことで、それぞれの原稿とともに、パパと子どもの写真も一緒に掲載され、育児の雰囲気も伝わってきます。
体験記では、「育児休業の取得申請をしてみたら?」と会社から取得をすすめられたという体験記がある一方で、「できれば取得しないで欲しい」と上司から言われた体験を率直に書いている男性も…。また、会社とは別に、友人から「昇進が遅れたり、無給になったりしてまでやる意義があるのか?」と言われたり、親戚から「大の大人が毎日遊んでいてどうするんだ!仕事も行かずに子どもの世話なんてしなくて良い!」と言われたという社外での風当たりの強さにふれている原稿もちらほらみかけられました。
5年くらい前でしょうか、民放のドラマに「アットホーム・ダッド」という専業主夫の悪戦苦闘を描いたものがあり好評を博していたのを覚えています。この育児休業体験記を読んでいると、そのドラマでの主夫の悲喜こもごもと重なる部分があり、思わずドラマのことを思い出してしまいました。
きっかけはともかく、育児休業を経験した男性は家族との絆が深まり、さらに場合によっては、その育児体験が自分の仕事にも生きたという感想をおもちのようですね。
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和) ―。最近、特にまわりでもよく聞かれるようになった気がします。いくつもの要素が絡んできますから、定義通りに実現するのはなかなか難しいでしょうが、本人のため、子どものため、よりよい環境が整えられることを願います。
男性の方が収入が多いからという理屈らしいですが、それならば性差ではなくて収入で基準を設ければと思います。不景気ではなくとも収入的に厳しい父子家庭も多いでしょうに。