きょういくじん会議
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音楽家がもの申す! 事業仕分けで文化芸術振興費削減
kyoikujin
2009/12/9 掲載

 今年の流行語大賞でトップテン入りも果たした「事業仕分け」
 連日、注目度バツグンだったが、作業が終わった現在も、予算削減が下された各分野の著名人から予算存続希望の訴えが続いている。

 そんな中、7日、文化芸術振興費が大幅に削減されたことに対して、音楽家たちが立ち上がった。
 まずは、芸術文化関係で今回評価の対象となった4つの取り組みを見てみよう。

@(独)日本芸術文化振興会関係
 舞台芸術の普及、振興と育成
 子どものための舞台芸術のワークショップ開催
A芸術家の国際交流
 海外公演の援助、新進芸術家の海外研修の助成
B伝統文化こども教室事業
 小・中学生を対象に休日を利用した伝統文化体験教室の開催
C学校への芸術家派遣
 コミュニケーション教育拠点形成事業
 小・中・高校に芸術家や実演家を招いての鑑賞・体験等の取り組み
 コミュニケーション教育の一つとして演劇やダンスをもちいた活動の取り組み

 そして、各活動の予算に対するワーキンググループの判断は次のように出た。

@は圧倒的な縮減
Aは予算要求の縮減
BCは地方移譲

 評価コメントを見てみると、「芸術や文化の普及や振興の必要性は否定しない」というスタンスではあるが、
・各活動の効果や成果が不透明
・若手人材育成に国の予算を使うのは疑問
・子どもたちへの啓蒙活動は地域で中心となって取り組むべき
などの見解により、何れも予算縮減の方向で評価されたようだ。

 この判断に対し、音楽家たちは「長期的な視点もなく目先の節約を優先させた非常識で恥ずかしい結論」と批判した。
 今回訴えに出た一人である指揮者の飯森範親氏は、「多くの子どもたちに生の演奏の感動を与えてきた」と述べている。

 本物の芸術や文化を体感することが、子どもたちの成長において大きな役割を果たすのは事実。予算削減が、そのまま子どもたちが芸術文化に触れるチャンスを減らすことにつながる、というのは避けたい。今ある予算で、どのようにすればより多くの子どもたちに芸術文化を伝えていけるか、という方向での議論を願いたい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2009/12/11 17:04:55
    無駄な予算の削減は大賛成ですが、科学や芸術って一番最後だと思います。米百俵の精神はどこにいってしまったのでしょうか。
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