1 やる気の源泉
やる気の源泉はどこにあるのか。
自分に置き換えて考えてみるといい。それは、人から認められたときではないだろうか。
「〇さん、この企画はいいねえ」
「△さん、あなたの学級はよく話が聞けるね」
「□さん、あの話はとても心を打ったよ」
などと、一言でも評価する言葉をかけてもらえると、次へのやる気が湧くというのは、だれもが体感しているはずだ。
2 タイミングは自ら生み出す
ところが、このことをわかっていても、なかなかその一言がかけられない。いつしか時間が経ってしまい、タイミングを逸してしまうというのはよくあることだろう。「果報は寝て待て」というが、タイミングは待っていても訪れない。ならば、自ら動くことだ。
例えば、集会時に生徒指導主任がよい講話をしたとしよう。職員室に戻って、一言感想を届けよう…と思った時点で、すでにタイミングを逃していることがある。生徒指導主任がそのまま教室に向かう場合もあるからだ。人は自分が思うような行動をするわけではない。私は生徒指導主任が降壇してくるあたりに構えていて、一言感想を述べることを心がけている。終わった途端の一言は特に伝わるものだ。
それでもタイミングを逃してしまったら、私はこちらから教室に出向くようにしている。相手はビックリするのだが、「学級の様子も見てみたいと思って」などと一言添えながら「今日の講話は的を射ていましたね」などと伝えている。
どのような一言をかけようかと悩むより、かけるタイミングの方に心を配った方がよい、これは経験知だ。
3 言葉と同時に表情で
事実に基づかない言葉は心に届かない。事実をとらえていれば、かける言葉にそれほど悩むことはないだろう。フェイスブックの「いいね」感覚で一声かければいい。
タイミングよく、短く、明るい表情で「いいね」でよい。以心伝心というが、声をかけるときの表情は、言葉以上に伝わるものだ。上司がニコニコしながら近づいてくるときの気持ちになってみてほしい。きっと、何かよい情報があるのかなと察するだろう。言葉と同時に表情で、評価を伝えることを忘れてはならない。
4 相手のやる気を引き出す他の方法
やる気を引き出すのは言葉かけだけではないことを付け加えておく。
例えば、学級通信にとてもよい記載があったとしたら、その部分に線を引いて、「心に響きました。(氏名)」と一言書いて、机上に置いておく。しっかり読んでいることが伝わるだけでも価値がある。
また、他のリーダーを通して、相手に伝えるのも有効だ。「あなたのこと、○〇先生がとても上手なアプローチだったとほめていたよ」といった伝えられ方は、直接ほめられたときより心にズシンと残ることを、だれもが経験しているのではないだろうか。
今回のPoint!
タイミングよく、短く、明るい表情でほめることでやる気を引き出す。
私は見た目で決めるけど見た目で決めてはいけないと思いました。