現代教育科学 2004年7月号
補充・発展的指導の実践プランを問う

A574

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現代教育科学 2004年7月号補充・発展的指導の実践プランを問う

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2004年6月15日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
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目次

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特集 補充・発展的指導の実践プランを問う
提言・「はどめ規定」の撤廃と補充・発展的指導の問題点
「個別指導」体制確立への契機として
加藤 幸次
補充・発展学習までやれると面白いのだが?
有田 和正
補充・発展の二重構造にどう応えるか
陣川 桂三
補充・発展的指導のための教材開発のポイント
補充はスクランブル、発展はナチュラルで
志水 廣
補充教材と発展教材の統一を
大田 邦郎
言語技術の基礎・基本を中核に
佐藤 洋一
補充・発展的指導のためのワーク化の問題点
国語科のワーク化の問題点
市毛 勝雄
子どもたちの認識を深める補充学習
菊池 乙夫
体験から得たワーク作成の留意点
柳井 智彦
補充・発展的指導のための学習形態があるのか
計画的にかつ最新の技術を使って発展学習を
岡田 篤
ティーム・ティーチングを有効に生かす
堀 裕嗣
補充・発展的学習の教材開発はこうやる―算数・数学
目の前の「出来ない子」の事実を追究する
木村 重夫
子どもの日常的な場面の中から具体的な場面を取り上げる
西村 一夫
「公立高校へ合格できる力をつける」入試スキルの教材開発
月安 裕美
補充・発展的学習の教材開発はこうやる―国語
「補充・発展学習」を単元のメインとして位置づける
二瓶 弘行
国語科指導への批判を補充する
深谷 幸恵
いずれにもなり得る漢字文化の授業
長野 藤夫
補充・発展的学習の教材開発はこうやる―社会
日本最先端の部分を取り上げるべきである
吉田 高志
目標を明確にした指導計画を立てる
藤本 浩行
「復習小テスト」をベースに新教材の開発
染谷 幸二
補充・発展的学習の教材開発はこうやる―理科
原理を身につけさせる補充指導、楽しさ・全体像の発展的指導
迫田 一弘
「機能体」「共同体」の機能を生かした教材開発のヒント
佐々木 昭弘
教科書研究をしよう
小森 栄治
小特集 「消えた学力」理科学力のここを取り戻す
基本的な科学概念の関連性と系統性を
森 一夫
ここを取り戻せ―科学に対する尊敬と飢え
石田 博幸
最先端のものづくりを子どもたちに教える
新牧 賢三郎
教育ニュース・ズームアップ
1)本年度の研究開発学校を指定 2)連続欠席者に児童虐待の疑い 3)問題行動には関係機関と連携
安達 拓二
家庭の教育力の復権 (第4回)
家庭の教育力低下は学校の責任だ
野口 芳宏
人権教育の再構築 (第4回)
学力保障の内実は均一ではない
長尾 彰夫
TOSS授業技量の検定 (第4回)
D表検定にいどむ
向山 洋一
「志」を育てる教育 (第4回)
夢、志、そして悩み
新堀 通也
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

◯…「補充的学習」は文科省の解説によれば、子どもの理解や習熟の状況等に応じ、学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容の確実な定着を図るために行う学習指導とあります。そのために、個別指導やグループ別指導、繰り返し指導、ティーム・ティーチングなどさまざまな指導方法や指導体制の工夫・改善が求められています。ですから補充的学習は「遅れがちな子ども」にきめ細かな指導を行うことが求められるのは当然のことといえます。

◯…では「補充的学習」を充実させる現場における協力体制は十分かと言いますと、必ずしも万全とは言えないという批判も出ています。第一に、補充的学習を学校全体の教育活動として位置づけているかが問題になります。前提として「補充的学習」への教職員の共通理解があるかどうかが問われることになります。第二に、指導計画や教材開発が問われることになります。補充的学習を充実させるための基本教材や練習教材、さらには発展教材までの見通しを持った準備があるのか、が問われることになります。

◯…同時に学習形態や指導方法の工夫・改善も問われています。この場合、子ども一人ひとりの学習状況を綿密に把握しているかどうかも問われるでしょう。また繰り返し指導の位置づけも問題になるでしょう。繰り返し指導を画一的なドリル学習や反復練習にしては、本来のねらいに反するかもしれません。

◯…これが「発展的学習」になりますと、「進んだ内容についての学習」になるだけに、一層難しい課題を抱えることになります。副教材活用による「発展的学習」という提案もあり、教師への負担が重くなりつつあります。本号は、問題点の多い「補充・発展的指導」の教材開発を中心に特集を組みました。

〈江部 満〉

◯…母親を亡くしました。

満90歳を25分だけ生きて、あの世へ旅立っていきました。1年10ヶ月、11回に及ぶ入退院生活でしたが、最後の一週間は、親族にとって、医療ミスを疑いたくなるような、つらいものでした。

最後の5月1日は、亡くなる2時間前から、手足が冷たくなっていき、まさに物体になっていく進行過程を見守るという体験は、本当にきついものです。

1週間前までは、意識もはっきりしていたので、「私は、いつ退院できるの」(私と交わした最後の言葉でしたが)というようにコミュニケーションがとれていました。

しかし、それがなくなると、見舞いにいっても、母親がとても遠い存在になっていくことを実感しました。

人間にとって、コミュニケーションがいかに大事か―せつない体験のなかで、身をもって実感しました。

入院のたびにお願いした救急車。感謝しつつもサイレンを聞くたび、どきどきするトラウマから、当面、逃げられそうもありません。

〈樋口雅子〉

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