現代教育科学 2006年2月号
「子どもの危機」新しい荒れに向き合う

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現代教育科学 2006年2月号「子どもの危機」新しい荒れに向き合う

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2006年1月6日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「子どもの危機」新しい荒れに向き合う
提言・「子どもの危機」新しい荒れへの対応
「子どもの危機」をどう見るか
高橋 勝
手を焼く子どもに対する指導方法の開発
明石 要一
子どもの危機、どうとらえどう克服するか
尾木 和英
戦後教育の内省的分析から
野口 芳宏
「子どもの危機」新しい荒れの動向と問題点〔小学校教師からの訴え〕
子どもの危機は、大人の危機
伊藤 雅亮
自己中心的児童の出現と三つの問題点
古川 光弘
問題は、学校の中にある
小田 哲也
「子どもの危機」新しい荒れの動向と問題点〔中学校教師からの訴え〕
立ち歩く生徒から授業崩壊を防ぐ闘い
高橋 正和
生徒の「生活」そのものに「荒れ」が潜んでいる
長野 藤夫
ニート・フリーター予備軍、夢を実現できない中学生
橋 薫
「子どもの危機」新しい荒れに向き合う学級づくり
モンスターな子どもたちと戦う
岡 惠子
言葉を大切にした学級づくり
漆山 仁志
ゆるやかなルールで子どもの心の安定を
岡田 篤
人間関係をつくろうとするちょっとした努力があるクラス
向井 ひとみ
「子どもの危機」新しい荒れに向き合う授業づくり
ストレスをためない授業と共育のための授業をせよ
柏木 英樹
「IT」「組み立て」「技量検定」で対応できる
椿原 正和
「明確で、重い言葉」を意識する
尾崎 文雄
決め手は『中学生のための暗唱詩文集』の成功体験
山本 雅博
「子どもの危機」新しい荒れを校長として考える
他者意識を育む教育実践
吉永 順一
「生きる力の喪失」と「食の乱れ」と「軽度発達障害の認識不足」と
槇田 健
“荒れ”に新旧はない―聞く耳・集中力・小を積んで大となす―
庭野 三省
「子どもの危機」保護者と連携して荒れに向き合う
すべては「返事」から始まる
平藤 幸男
日々の「気づき」をもとに
沼澤 清一
保護者のサポートも大切である
山田 一
「授業批評の力」を鍛える (第11回)
かけてもよい迷惑
齋藤 勉
授業を変える学習集団づくり (第11回)
批判的思考を育てる学習集団
柴田 義松
校長が学校を変える (第11回)
制度の不条理を問う
大森 修
TOSS授業技量検定受検のドラマ (第11回)
母ちゃん先生プロ教師を目指す(その2)
吉川 廣二
続・TOSS授業技量の検定 (第11回)
TOSS技量検定五段への挑戦(下)
向山 洋一
〜「教育技術の猿真似」という奇怪な表現を使う研究者は何も分かっていない〜
なぜ検定外・算数教科書を創ったか (第11回)
教員養成大学の任務・継続的研究の意義
横地 清
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

◯…「新しい荒れなどと誰が言い出したのでしょうか。荒れや崩れに新しいも古いもありません」と評論家は言います。しかし、「新しい荒れ」の特徴として、従来のように日常的に粗暴な言動をくり返し、非行グループを形成するなど外形的に前兆を見せている子どもに限らず、これまでの行動や態度などからは周囲が非行を予見し難いといわれている子どもが突然むかついてキレるという状況が出ています。

◯…事件が起きても周辺の関係者から「普通の子」なのになぜという疑問が出されています。この傾向に対し、「荒れ」の中味が変わったのではなく、むしろ「荒れ」がこれまで目立った問題行動を起こしたことのない層まで広がったと見るべきだとの研究者の見解もあります。

◯…「不登校」「むかつき」「キレる子ども」「学級崩壊」など、九〇年代に著しい子どもの「問題行動」は、情報化と消費生活化の進行によって、子どもが公共性を欠落させたバラバラな「個我」として、この社会を浮遊しはじめた一つの現れではないか、とする見解もあります。(『文化変容の中の子ども』高橋勝著から)問題は普通に見える子どもやむしろ成績優秀な子どもが周囲の予想もしない問題行動を引き起こす事例が相次いでいることでしょう。

◯…ある実践家は「見えない子どもたち」へのアプローチとして、六つの基本姿勢を示しています。@一般的理解を深める、A共感的に理解する、B肯定的に理解する、C自己理解を深める、D心理的事実に目を向ける、E理解を指導につなげる、などです。もちろん学級づくりや授業づくりを子ども理解を通して改善していくことも大事な実践課題となるでしょう。本号は、「新しい荒れに向き合う」ことで「子どもの危機」をどう克服するか、提言特集です。

〈江部 満〉

◯…ある会合で「明治は大会冊子の広告料の振込みが遅い!」と叱られている私に(ホントは私が手続きをサボっていたのが原因ですが)「樋口さんのところと比較するのはちょっとね。ボクたち教科書会社は、あらかじめ予算保障もされ、集金の手間もない仕事だから」と某社の編集長氏がフォローしてくれました。

その時ふと、教科書というのはかなり特殊な出版物だということが共通理解されているのかしら……と思いました。

今、思い浮かぶ点だけでも、

@税金で買上げている。

A税金で賄われている検定制度という仕組みで、ついでに?校正ミスもチェックしてもらえる。

Bそれなのに?民間発行だとして転載料をとる互助組合的協会を作って機能させている。

C市販されていない(扶桑社が市販して物議をかもしたが、他者の追随がないのはなぜ…)ので、市井に暮す納税者にはブラックボックス。

Dそして、これに誰れもクレームをつけない、のが一番のふしぎ物語? です。

〈樋口雅子〉

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