現代教育科学 2006年6月号
中教審答申で現場はどう変わるか

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現代教育科学 2006年6月号中教審答申で現場はどう変わるか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2006年5月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
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目次

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特集 中教審答申で現場はどう変わるか
提言・中教審答申から何を読み取るか
「義務教育の構造改革」の本質的検討を
新堀 通也
「義務教育の構造改革」の中身が問われている
長尾 彰夫
授業技量の上達
齋藤 勉
知識基盤社会における人間力育成
岩田 一彦
国語力育成の具体的改善を期待する
安藤 豊
学校の自主性・自律性の確立は可能か
学校の自主・自律を阻むもの
大森 修
校長権限拡大の法整備こそが鍵になる
槇田 健
まず、なによりも人事の校長裁量権を
浅尾 三吉
「学校力」の強化の見通しが持てるか
「若い学校」はチャンスを生かせるか
向山 行雄
時代がやっと向山洋一氏に追いついた
吉川 廣二
教師力向上と保護者との連携
阿部 惣一
「教師力」の強化の見通しが持てるか
授業研、五つのことを廃止せよ!
長谷 博文
教師力強化の具体的方策を考える側に求められる教師教育力
田中 博史
教師よ! 授業で子どもを成長させ、自信と気概を持て
高石 哲已
「家庭の教育力」の低下をどう防ぐか
親の悩みを聞き、一緒に対処していく
平藤 幸男
保護者の意識改革と教師の手立て
大江 浩光
日々伝え合うことを通して
沼澤 清一
特別支援教育への見通しをどう立てるか
子どもの将来から自立を目指した指導ができる学校か
高橋 佳子
「学校力」「教師力」を高めることをシステム化する
雨宮 久
答申を生かした組織と三つの研修
柏木 英樹
各教科の学習到達度・理解度をどう明確化するか
「一時間・一目標」「個別チェック」で明確化する
小林 幸雄
指導の明確化があってこその学習到達度の明確化
河田 孝文
具体的に、学年別に、目指すべき「到達度」を示す
瀧沢 広人
具体的な「数値」または「姿」である
長野 藤夫
戦後の授業研究の歴史 (第3回)
規律と技能をもつ身体をひらくトークが営む学習の始動
山下 政俊
親と教師の信頼関係づくり (第3回)
そもそも責任の所在がないのだ
大森 修
理科は感動だ! (第3回)
理科でキャリア教育〜理科と関係のない職業はない〜
小森 栄治
法人化国立大学の苦悩―学部長奮戦記 (第3回)
全国初の高大連携協定の出前授業
明石 要一
TOSS授業技量検定の成果 (第3回)
五度目のB表受検 岡惠子先生の指導案
向山 洋一
教育課程の見直しに参加して―中教審委員の一人として (第3回)
教育課程企画特別部会の位置と役割
安彦 忠彦
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

◯…完全五日制と同時に導入された現在の学習指導要領をめぐっては、「ゆとり教育」が学力低下を招いたとする新聞やマスコミの大合唱で、社会全体が学力向上にカジを切ってしまった感があります。そこへ十月の中教審答申が発表されました。教育内容の改善では(1)ゆとりの中で「生きる力」を育むことを理念とした現在の学習指導要領は、そのねらいを十分達成されたのか検証していく必要があるとし、(2)現行の「学力観」については、様々な議論が提起されているが、基礎的な知識・技能の育成(習得型の教育)と自ら学び自ら考える力の育成(探究型の教育)とは、二者択一的にとらえるべきではなく、この両方を総合的に育成することが必要、と提起しています。

◯…要するに「確かな学力」を育成し、「生きる力」を育むという基本的な考え方は、今後も引き続き重要であるとの確認をしているわけです。このことを踏まえ、学習指導要領の見直しに当たっては、(1)「読み・書き・計算」などの基礎・基本を確実に定着させ、教えて考えさせる教育を基本として、自ら考え行動する力を育成すること、(2)将来の職業や生活への見通しを与えるなど、学ぶことや働くこと、生きることの尊さを実感させる教育を充実し、学ぶ意欲を高めること、(3)家庭と連携し、基本的な生活習慣、学習習慣を確立すること、(4)国際社会に生きる日本人としての自覚を育てること、などを挙げています。

◯…さらに教育内容の改善に当たっては、(1)各教科の到達目標の明確化、(2)学校の創意工夫、(3)国語力の充実や理数教育の充実、(4)小学校段階の英語教育の充実、(5)情報リテラシーを高める教育の充実などを挙げています。これらに対し「常識的な内容」と批判する新聞報道もありますが、本号は現場実践の立場からの「声」を集めたいとする特集です。

〈江部 満〉

◯…「単位をもらえなかったら、自殺する」と、某大教授が学生から脅迫されているというメールをもらいました。

その学生は、中・高時代は不登校。大検で進学したということが判明したのだとか。

自分の思う通りにならないとカプセルの中に閉じこもるか、他者を攻撃するか…でしか、コミュニケーションがとれないとしたら、感情表現力があまりに未熟…。でもたしかに訓練の場や機会も減りつつある気がします。

そういう私自身、電話よりメールの方が(便利ということもありますが)活躍する毎日です。

トナリの席の人ともメールですから、周りに騒音を撒きちらす迷惑は減りましたが、(叱る、ほめる)などの感情表現のリアリティは減少気味…。

獣医師によると、大型獣に接する時は、必ず緊張感を持って向き合わないと攻撃されるとか。相手がダラーっとしているのを見抜く感性は本能でしょうが、人間も取り戻すべき感覚の一つなのでしょうか?!

〈樋口雅子〉

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