- 特集 子どもの「規範意識」がなぜ崩れたか
- 提言・「規範意識」の崩れた背景にあるもの
- 学校を通じて規範感覚の育成を
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- 子どもは大人の行動を見て学ぶ
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- 大人社会の「規範」の崩れの反映である
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- 規範意識は崩すべくして崩された―そのメカニズムを暴く―
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- 子どもの「規範意識」の現状と問題点
- 学習態度に見る子どもの「規範意識」
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- 学級内での子どもの「規範意識」
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- 遊び仲間と子どもの「規範意識」
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- いじめに見る子どもの「規範意識」
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- 授業の荒れに見る子どもの「規範意識」
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- 「規範意識」のとらえ方と成長期の援助
- いつになっても、あきらめずに、繰り返し、繰り返し指導することしかない
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- まずは「言語感覚」の「規範」から指導しよう
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- 「生徒指導キャンペーン」で規範意識を高める!
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- 授業でこそ生徒を援助することができる
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- 「だめなものはだめ」と言える父性と「認める」母性
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- 規範意識も教えるのであり、学ぶのである
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- 「規範意識」を育てる教師の指導力
- 連帯することを出発点に、優しく、楽しく、頑固にあり続けること
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- 道徳授業で規範意識を鍛える
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- 人に迷惑をかけない
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- 家庭における「規範意識」の形成・問題点
- それぞれの家庭の伝統を継承し、伝えていく
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- 「砂場」を今どこに求めるのか
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- 規範意識を育てるための基準と道筋を考える
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- 人権教育時代の同和教育の実践 (第2回)
- 人権感覚の成熟をはばむものは何か
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- 教育再生に向けて (第2回)
- 教育再生会議への提言・前哨戦 その2
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- 論理的思考力の鍛え方 (第2回)
- 論理的文章(小論文)を書かせる
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- 人間力を育てる理科教育 (第2回)
- 小理が危ない
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- TOSS授業技量検定の成果 (第14回)
- 技量検定の効果は毎日の授業にあらわれる
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- 教育行政をめぐる論争と問題点 (第2回)
- 国旗・国歌の取り扱いをめぐる対立
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- 編集後記
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編集後記
○…十数年前から「新しい子ども」が登場してきたという指摘があります。ひ弱でわがまま、生活の型をほとんど身に付けていない子どもたち、と言うわけです。「新しい子ども」が登場した背景には、物質的な豊かさと利己的な自由平等主義の蔓延、地域の共同性の崩壊が上げられると教師の河上亮一氏は分析しています。さらに義務教育に大幅な個性や自由化を持ち込むのは、多数の学力低下を招くだけであり、個性化、自由化は学級崩壊の元凶だとまで、決めつけています。
○…別の教師喜入克氏は「奇妙な平等主義」は子どもたちを公共性の欠如、孤立主義的人間関係といった病理に落としこんだ、しかも子どもたちの価値観に対して大人はまったく手がつけられない状況だ、と分析しています。(『教育基本法見直し会議の緊急報告』から)
○…「ゆとり教育」の呪縛を断ち切れという社説まで表れています。そこでは「今必要なのは戦後六十年で教育が失ったものを取り戻すべく、まずゆとり教育の四半世紀と決別することである」と主張されています。(読売新聞の社説)
○…安倍首相の教育再生会議では、三分科会で討論を始めていますが、第二分科会では規範意識、家族、地域教育再生などを検討することになっています。子どもたちに「規範意識」を持たせることは必要だ、と安倍首相は就任以来、国会などで強調していますから、この分科会設置も当然のことでしょう。
○…多くの大人は最近の子どもたちのモラル低下を嘆き、何とかしてほしいと考えています。学校での「道徳の時間」での教育の成果が問われています。役に立たない内容なのでしょうか。どう考えたり行動したりするのがふさわしいのか、子どもたちに伝わっていないのでしょうか。本号は子どもたちの「規範意識」の崩れの背景と問題点を探る特集です。
〈江部 満〉
○…経営品質向上の目指す方向――顧客本位にもとづく業績の卓越性
経営品質向上の4つの基本理念
1顧客本位 2独自能力
3社員重視 4社会との調和
ここまで読んで「ズバリ教育書に関係あり!」思う方は情報通ですね。
そうです?!
昨年6月、岩手県教委は、〈教育品質向上運動の取り組み〉を、日本経営品質賞の考えを活用していると公表しています。
三重県のそれは、
〈学校経営品質向上活動とは〉
学校経営品質向上活動とは組織運営(経営)の質を高め、目指すべき方向(ビジョン)を実現する活動
〈学校経営の質が高い状態とは〉
生徒が生き生き 教師が生き生き 学校全体が明るい 地域に喜ばれる 卒業生が良かったと思える
ということで、「顧客のニーズ・満足度の把握、教職員の満足度の把握・分析・改善、地域との連携等があり、評価するのは学校だが、こういったことをやってくださいということを求めている。自分たちで話し合って自分たちで気づいたことは行動に繋がりやすい。」という学校側への説明がされています。
教育の品質、この言葉だけでアレルギーの地域もあるかとは思いますが、もうすでに一歩踏み出しているのですね。意識改革が……。
〈樋口雅子〉
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- 明治図書